日本経営管理教育協会が見る中国 第450回--下崎寛

■中国の外国人就労ビザ

 ジェトロの発表によれば、平成28年(2016年)11月1日より山東省を含む中国10地域で外国人の就労許可新制度の試験運用が始まった。平成29年(2017年)4月から全国で本格的に運用されるとのことである。

 その内容を見ると、来るべきものがきたものと思われる。

 近年、中国で就労する外国人が増え、より厳格に管理する必要がでてきたことと、中国は「製造大国から製造強国へ」と産業の変換を図るために、外国人就労者を年齢、学歴、職歴等によりポイント制に選別し、ハイレベル人材(A類)、専門人材(B類)、一般人員(C類)に分類し、ハイレベル人材は奨励し、専門人材はコントロールし、一般人材は制限するというものだ。

 その分類の内容は、学歴、収入レベル、勤務経験、中国における毎年の勤務期間、中国語の語学レベル、年齢のほか、有名企業の従業員、有名大学卒業者、特殊地域の就労者、地方経済・社会発展に必要な特殊人材など細かく点数基準があり、一定の点数以下は、就労ビザの更新を認めないものである。

 結論的には、今後中国に役に立たない人材は、ご免被るとのことである。

 これは、中国のだけのルールではない。実は、日本も採用しているルールなのである。

■日本の高度人材受入

 日本では、平成24年(2012年)5月より高度人材外国人を受け入れする制度を始めている。

 その内容は、年齢、学歴、収入等と中国の内容とほほ同じである。ただ、異なることは、ビザの更新で制約するのではなく、高度人材として在留資格を与え入国してもらうことである。平成28年(2016年)6月で約3000人がいる。

 ところで、日本においては、戦後から一貫して外国人の単純労働者を入国させない政策を取っている。すなわち、日本では、投資経営としての会社経営者か一定の学歴がある専門職の外国人しか日本において就労することができないルールとなっている。不思議に思うことは、現在、アジアから建設作業員とか農業従事者として働いている外国人がいるのではないかと疑問がわく。しかし、その人たちは、技能実習生といわれ、建前は、日本で3年以内に特定の仕事を覚えてもらい自分の国へ帰国し、その技術を活用してもらうことを目的として就労させることとしている。しかし、実際は、人手不足の業種の単純労働者を受けている日本の便法である。この方法は、一時韓国でも採用されていたが、韓国は移民制度に変更されている。当然、中国には移民制度はない。

 日本のやり方は日本独特の方法であり、最近の欧米諸国の移民制度の問題を見るにつけ、賢い方法といえる。(執筆者:日本経営管理教育協会・下崎寛)(写真は日本経営管理教育協会が提供。日本の高度人材養成へ医療系大学)