中国ではサッカーの人気が高いものの、近年の中国代表は低迷を続けており、ワールドカップ(W杯)出場を逃し続けている。それとは対照的に、日本代表はアジアの強豪としてW杯の常連国となったため、中国国内では日本サッカーの育成システムの長所に学び、取り入れるべきといった論調は少なくない。

 一方、中国メディアの捜狐は6日、中国は日本サッカーに学ぶための条件を満たしておらず、闇雲に学ぼうとしても「袋小路に入ってしまうだけ」であると伝えている。

 記事は、日本のサッカー育成システムは非常に長い時間をかけて構築されたものであると指摘。例えば、全国高校サッカー選手権大会がすでに第95回目を迎えていることからも分かるとおり、日本には複数の世代にわたってサッカー選手を育ててきたと指摘し、こうした蓄積を学び取ることは不可能であると指摘した。

 また、日本の子どもたちは中国の子どもたちに比べてサッカーを始める年齢が圧倒的に若いと指摘し、それだけ日本にはサッカーが身近にあると紹介。また中国の保護者と異なり、日本の保護者は「何が何でも子どもを大学に入学させなければならないとは考えていない」と指摘し、日本の保護者は子どもの将来について「なりたいものになりなさい」と教えることが一般的と紹介。つまり、「日本の子どもたちは小学生のころからサッカーに親しみ、保護者も子どもたちをサポートしている」と伝え、こうした環境は中国にはないものであると紹介した。

 さらに記事は、日本の保護者が自分の子どもに「なりたいものになりなさい」と言える背景は日本と中国の社会が違うためと指摘。日本は貧富の差が小さいうえに、どのような職業についても一定の給料は保障されているとしたほか、社会保障制度も整備されていることから、日本の保護者は「安心して子どもにサッカーをさせてあげられる」のだと主張した。

 人口の多い中国は日本以上の競争社会だと言われ、近年の中国では「自分の子どもをスタートラインの時点で負けさせるわけにはいかない」と考え、教育に熱を入れる保護者が増えている。記事は、アジアの強豪になった日本サッカーの育成システムを中国が真似しようとしたところで、「中国の社会保障制度が整備されず、貧富の差が拡大し続けるままでは、保護者も子どもに安心してサッカーをさせることなどできない」と伝え、中国の子どもたちが幼少のころからサッカーに本気で取り組めるようになるための条件は「格差の是正や社会保障制度の完備」であるとの見方を示している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)