THAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)の配備を巡って関係がギクシャクしている中国と韓国。両国に関係するちょっとした騒動やトラブルが、いずれも同ミサイルの配備に絡めて論じられる状況だ。近ごろ発生した「孔子学院」講師のビザ発給問題も、その1つである。

 中国メディア・第一財経は2日、韓国の出入国管理事務所が昨年末、同国内にある孔子学院の中国籍講師に対するビザの延長を停止したことについて、韓国政府・法務部が「他意は絶対にない」とのコメントを出したことを報じた。

 記事は、韓国メディアの報道として、同国首都圏の大学に設置された孔子学院に5年あまり在籍している中国籍の副学院長が昨年11月、E-2(会話指導)ビザの1年延長を申請したところ、出入国管理事務所が「報酬体系がE-2ビザの要件に満たない」として延長を2カ月しか認めず、副学院長は今年1月に中国への帰国を余儀なくされたと伝えた。大学の関係者によれば、これまでにこのような問題は起きたことがないという。また、別の大学の孔子学院でも同様の事例が発生したとのことだ。

 そのうえで記事は、韓国法務部に宛てた質問状に対する同部からの回答を紹介。最初に「本決定は日常的なビザ・滞留管理上の理由によるものであり、他の意味や考慮は絶対にない」とされており、「出入国管理事務所が昨年8-10月、孔子学院で雇用している中国人講師が中国から大部分の報酬を得ており、韓国の大学からの報酬がE-2ビザの要件基準を満たしていなかったことを発見したため、規定に基づき規制した」との釈明があったことを伝えている。また、当局がすでに中国大使館や各孔子学院を訪問して説明を行っているとの情報も伝えた。

 記事は、法務部が「絶対に他意はない」と回答したのとは裏腹に、一部の韓国メディアがTHHADミサイルに関連付けて「この問題により、中韓関係に再び影響が出ることになりそうだ」と報じていることを併せて紹介している。

 孔子学院は、中国政府が中国の言語や文化の世界普及を目的とし、中国国内の大学と世界各地の大学との協同運営という形で現地の大学内に設置している教育機関だ。講師の多くは中国国内から派遣されており、現地の学生や市民に中国語や中国文化などをする。その存在や運営を巡ってはしばしば問題や論争が起きており、米国やカナダでは2014年に関係を解消するケースが相次いだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)agurovic/123RF)