旧正月(春節)を大々的に祝う習慣がある中国では、春節の大型連休を利用して海外旅行に出かける人や帰省する人が多い。そのため、春節は極めて大勢の人が一斉に移動するタイミングでもあり、そのさまはまさに「民族大移動」と呼ぶに相応しい光景だ。

 中国高速鉄道が整備されたことで帰省しやすくなったという声が聞かれるが、その一方で車内で販売される弁当の価格が質に対して高すぎるという声もある。中国メディアの南方週末は25日、高速鉄道の車内で販売される弁当の価格が議論の的となっていることを伝えている。

 中国では以前、高速鉄道の車内で、「常に提供しなければならない15元の弁当(約246円)」をあえて提供せず、高価な40元(約658円)の弁当を売りつけていたことが問題になった。これに対し、中国鉄路総公司は15元の弁当は売切れ次第、提供終了とサービス規定を改訂したが、この規定の変更が論争を呼んでいる。

 記事は、中国高速鉄道では必ずしも安い弁当を提供し続けなければならないのだろうかと疑問を投げかけつつ、サービス規定の改訂に賛成する意見としては「消費者のニーズは絶えず変化しており、15元の弁当を常に提供するということは他の種類の弁当が提供できないことを意味する」と主張。さらに、高速鉄道を利用する中国人は一定の経済力があるため、そもそも安い弁当など求めていないはずだと論じた。

 一方、規定改訂に反対する声としては「もっとも安い弁当が早い者勝ちとなるのは、公益性を損なうもの」であるといった意見や、「高速鉄道の車内販売で利益を追求すれば、乗客たちは『ほかに選択肢がない』という理由だけで高いものを売りつけられることになる」という意見があることを紹介した。

 中国高速鉄道の弁当をめぐっては、価格だけでなく、「質」も大きな問題となっており、高額であるのに不味いとしてインスタントラーメンを持ち込んで食べる乗客もいる。価格をめぐる議論はもちろん必要だが、その前に質の向上を議論すべきではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)