米国のトランプ大統領は23日、環太平洋経済連携協定(TPP)から永久に離脱することを表明し、大統領令に署名した。中国はもともとTPPに対して「中国を除外したTPPは中国包囲網である」として警戒感を高めていたため、米国がTPPに参加しないことをもっとも喜んでいるのは中国かも知れない。

 中国メディアの環球網は26日、トランプ氏が大統領選でTPP離脱を表明して以降、中国との貿易強化を望む声が高まっていると伝える一方、有識者の見解として「中国はTPPを救わない」と伝えている。

 記事は、トランプ大統領がTPP離脱を表明したことで、TPP加盟国だったカナダやオーストラリア、ニュージーランドなどが中国との貿易強化の意向を表明したと紹介。さらにオーストラリアやニュージーランドの政府関係者が「TPPは中国とインドネシアに加盟を要請すべきであり、中国もTPPに加盟する可能性はある」、「中国がTPPに加盟すれば、TPPは救われる」との見方を示したと紹介した。

 一方、中国は東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を主導、推進しており、日本では「中国がTPPに加盟する可能性」はゼロと見られていると紹介。日本はTPPを通じてアジアの経済成長を取り込もうと考えてきたが、米国がTPPに加盟しないことが決定的となった今、日本の貿易協定をめぐる立場は厳しい状況に追い込まれたと論じた。

 続けて、北京大学の教授の話として、「いかなる形であっても中国がTPPに参加する可能性は低い」とし、そもそもTPPは中国にとって不利な協定だからだと指摘。中国は「TPPを救う必要がない」との見方を示したうえで、むしろ今は中国主導のRCEPへの関心が高まっており、一部の見方として「TPPが骨抜きとなれば、中国はRCEPによって影響力をアジア全体へと拡大することになる」と伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)