米国と韓国は2016年7月、高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」を在韓米軍に配備することを決定した。これには北朝鮮の弾道ミサイルに対する防衛という目的があるが、中国側はTHAAD配備が中国の安全保障に関わり、国益を損なうとして反発している。

 中国メディアの今日頭条が25日付で掲載した記事は、THAAD配備という決定が韓国の対中輸出に大きな影響を及ぼしており、韓国企業の損失は日ごとに重くなっていると説明している。

 記事は韓国メディアの報道を引用し、韓国政府がTHAAD配備を正式に決定して以降、中国による報復措置がメディアを賑わせていると伝え、中国貿易にかかわる韓国企業は懸念を募らせていると説明。たとえば16年12月に中国国家質量監督検験検疫総局は輸入便器の抜き取り検査状況を公表したが、106の被検査製品のうち47が不合格となり、うちの43が韓国製品であった。

 また、中国国家質量監督検験検疫総局は3日、16年11月に11トンもの韓国製化粧品が中国国内への持ち込みが許可されず、韓国に送り返されたことを公表したことを伝え、中国による報復措置は今も続くばかりか、当初の韓流タレントを対象としたものから範囲が拡大していると伝えた。

 記事は、一連の出来事の原因の1つは中国側が製品の安全規準を強化していることにあると説明する一方で、THAAD配備による中国と韓国の関係悪化も影響しているのは間違いないと指摘し、今後さらに多くの韓国製品が同じ目に遭うかもしれないと論じた。

 韓国にしてみれば、THAAD配備は北朝鮮の脅威から国民を守るうえでの必要な措置だったはずが、中国にとってはそれが自国の安全保障にとって有害な措置だと映っている。THAAD配備をめぐる摩擦は韓国にとって高度な知恵が試される試練だと言えよう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)