日本と中国はアジアにおける高速鉄道プロジェクトをめぐって競い合う関係だが、中国メディアの中国新聞網はこのほど、日本の鉄道技術がインド市場を狙っているとして、その動きに警戒感を示す記事を掲載した。

 記事は、インドは鉄道路線の総延長距離が6万3000キロメートルを超える世界第4位の鉄道大国であると紹介し、日本企業は今まさにこの市場における新しいビジネスチャンスを虎視眈々と狙っていると説明。日本企業は新幹線の輸出のほかにも「既存の従来線に日本の良質な技術を導入したい意向」と指摘した。

 一方、インド市場はコスト意識が強いため、日本の鉄道技術は価格がネックとなると主張。だが、インドの鉄道はウッタル・プラデシュ州で生じた脱線事故のように、インフラの老朽化やメンテナンス不足が原因でインド各地で鉄道事故が頻発しており、インド側としても既存鉄道の整備が喫緊の課題となっているのは事実であるとした。

 また記事は、16年12月にウッタル・プラデシュ州の州都ラクナウで開催された国際鉄道見本市「InnoRail India 2016」で、駐インド日本大使が「自信に満ちた」態度で「日本の技術はインド鉄道産業の発展に大きく貢献することができる」と語ったと紹介。さらに、この見本市の会場の半分は日本企業や日本の団体による「日本館」として使用されたと紹介し、JR東日本が設けた新幹線の運転席を体験できるブースは「多くの来場者を引き寄せた」と説明、海外鉄道推進協議会の関係者も「鉄道に対するインド国内の熱情は絶えず高まっており、日本が貢献できる余地は大きい」と期待を示したと紹介した。

 価格面が課題だとしても、それをクリアすれば、日本の鉄道技術はインド側にとっては喉から手が出るほど欲しい技術だろう。中国側としては、日本がインドの鉄道市場に潜在する大きなビジネスチャンスを見抜き、それを掴もうと活発に活動している点に警戒感を感じざるを得ないようだ。インドでは鉄道事故が頻発しているが、日本には安全性の高い鉄道技術があり、鉄道産業における日本とインドの協力の余地は非常に大きいと言える。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)