日本と台湾、そして大陸を巡る関係は複雑だ。日台間の関係接近に対して大陸の政府は常に目を光らせている。一方で、その評価はさておき、日本がこれまでに台湾に対して与えてきた影響について無視したり軽んじたりすることは、不可能だろう。

 中国メディア・今日頭条は24日、台湾経済成長の背後には1960年代に日本で起きた台湾投資ラッシュがあるとする記事を掲載した。記事は、台湾の行政院経済合作発展委員会(現在の行政院経済建設委員会)の調査で、1953年から66年の13年間で日本企業が行った対台湾投資件数が88件、投資総額が1270万米ドルにのぼり、外国からの投資の半分を占めたとされていることを紹介。とくに65年以降に日本企業による台湾投資が顕著に増えたとした。

 またこの時期には日本と台湾企業との間で医薬品、電気機器、通信機器を中心とした「技術協力」が盛んに行われ、台湾は技術力を高めるとともに製品の輸出競争力を高めていったと説明。日本企業にとっては日本国内よりも労働コストが低廉で、電力コストも低いというメリットがあったほか、その後の台湾製品市場を掌握するうえでの足掛かりになったと解説している。

 記事を見た中国のネットユーザーからは日本の投資によって台湾の経済発展が後押しされたことを認める意見が見られた。また、「だから一部の台湾人は日本を養母のような存在と言うのか」、「だから台湾には近代においても現代においても親日家がいるのか」、「そのころ大陸は何をやっていたか。本当に心が痛む」といったコメントも寄せられた。

 それ以上に多く見られたのは「日本は中国にも大量に投資し、お金がないときに助けてくれた」とする意見だ。「記事は、中国大陸の発展は日本の投資に頼っていない、と言っているようだ」、「戦後、日本の資本は大陸をたくさん助けてくれもした。君たちは知らないだろう、なんて言わせない」といった感想が残されている。

 愛国教育によって日本に対して嫌悪感を持ったり、軍国主義化や右傾化の危機などと煽ったりする人がいる一方で、中国には改革開放直後の苦しい時期に日本企業が積極的に投資を行ったり、日本政府が資金援助を実施したりしてきたことに恩義を感じている人が確かに存在するのである。そして同時に、親日的なイメージを抱きがちな台湾にも、日本に対していいイメージを持っていない人たちが多少なりともいることを忘れてはいけない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)