2016年11月3日、中国は海南島で「長征5号」の打ち上げを行った。打ち上げそのものは成功したのだが、中国メディアの東方頭条が20日付で掲載した記事は、宇宙開発の専門家の発言として、「中国のロケット技術は日本に及ばない」と論じている。
 
 記事は宇宙開発の専門家の発言として、中国空軍が「心臓病」を持病として持つのと同様に、中国の宇宙開発も同じ問題を抱えていると指摘したと紹介。中国宇宙開発における心臓病とはすなわち、ロケットエンジンの「推力不足」であると説明した。

 この専門家は、中国のロケットエンジンの推力は米国やロシアと比べてはるかに劣り、日本や欧州のロケットエンジンの推力でさえ中国を超えていると指摘している。長征5号の第1段には10台ものエンジンが装着されているが、米国の人工衛星打ち上げ用使い捨てロケット「デルタ4」ロケットの第1段にはわずか3台のエンジンしか装着されておらず、しかも推力は長征5号よりも大きいと説明した。

 また記事は、中国はロケットエンジンの「推力不足」をめぐる課題突破を困難と感じていると主張し、その証拠としてロシアのRD-180エンジン及びその生産技術を導入することを決め、ロシアと合意したと説明した。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は現在「LE-9」と呼ばれるロケットエンジンの開発を行っている。H-2Aロケットの第1段には「LE-7A」エンジンが使用されているが、LE-9はより安全性に優れたエキスパンダー・ブリード・サイクルと呼ばれるエンジンサイクルを採用している。このエンジンの開発に成功すれば、日本が宇宙開発および人工衛星の打ち上げにおける世界競争を優位に戦うための強力な武器になるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)