小林製薬の漢方薬「清肺湯ダスモック」が中国人旅行客の間で人気となっているという。中国では大気汚染が深刻化しているが、「中国人が長年悩まされてきた問題が日本によって解決された」と報じるメディアもある。

 中国メディアの新浪は19日、中国人が大気汚染の「特効薬」として、こぞって買い求めている小林製薬の「清肺湯ダスモック」の原材料は中国産だったと紹介。中国で生産された電気炊飯器や温水洗浄便座が爆買いの対象となった過去と同様に、中国人が中国産のものを爆買いする事例が再び生じていると伝えている。

 記事は、清肺湯ダスモックはもともとタバコの煙や排気ガスなどによって生じるたんをやわらげ、呼吸を楽にするための薬であると伝える一方、2016年4-9月の売上が前年比で約40%も「突然」伸びたと紹介。これは大気汚染に苦しむ中国人の消費が売上を押し上げたものだと伝えた。

 続けて、「日本人が漢方薬を中国人に売る」という構図が生じていることについて、「信じがたいが本当に起きていること」と伝えつつ、中国発祥の漢方薬は現在、世界市場においては日韓が約80%のシェアを獲得しており、中国企業が生産する漢方薬のシェアは5%程度にすぎないのが現状と指摘した。

 特に、日本企業が生産する漢方薬の原材料の大半は中国から輸入しているものだとし、中国は現在、漢方薬市場で原材料を供給する役目に過ぎないと主張。また、日本企業は現在、東南アジアや中央アジアで栽培、生産された生薬を購入するようになり、中国の漢方薬の原材料市場における地位も失われつつあるのが現実と指摘した。

 中国人旅行客が15年に日本で電気炊飯器や温水洗浄便座を爆買いした際、中国ではこれらの製品は「実は中国産」であることを指摘する声が断続的にあがったが、それでも中国人消費者は「日本企業の製品」であるとして爆買いを止めなかった。漢方薬においても、中国から原材料を輸入し、日本企業が独自の製品として発売し、それを中国人旅行客が買い求めるという過去の構図と同じ現象が起きていることに対し、記事は「漢方薬は中国発祥なのに、中国は日本に圧倒的な負けている」と悔しさをにじませている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)