中国人消費者が日本に旅行してまで日本製の電気炊飯器や温水洗浄便座を買い求めた「爆買い」現象は、日本企業に大きな経済的利益をもたらした。だが、その一方では中国メーカーが中国人消費者が買いたいと思えるような魅力的な製品を提供できないでいることを浮き彫りにしたとの見方もある。

 最近、中国の電気炊飯器の各メーカーはこの見方を裏付ける現象を体験しているようだ。中国メディアの上観が17日付で掲載した記事は、日本企業の電器炊飯器のOEMで成功を収めたはずの中国企業が、自主ブランドの製品を生産するとその売れ行きが良くないという現象に困惑していると説明している。

 記事は、日本企業から電気炊飯器のOEMを依頼されたある中国企業の経営者の見解を紹介。記事によればこの経営者は、ある日本企業はこの中国企業に800万元(1億3378万円)もする設備を導入するよう要求したと説明した。

 さらに、この装置は大量に電力を消費するため生産コストが高くなる可能性があったというが、日本企業がこれほど高価かつ生産コストにも影響を及ぼす装置を導入するよう要求したのは、電器炊飯器の釜のアルミ材が使用を重ねても絶対にお米と接触しないという品質を確保するため、つまり消費者の健康に対する配慮が導入を求めた理由だったと説明した。

 また記事によれば、中国自主ブランド製品を生産する際には、コストを下げるために科学膜処理法を用いて釜のアルミの表面をコーティングするが、この方法はアルミ材と米の接触を完全に回避することは難しいと指摘。つまり、消費者の健康を損ねる可能性も排除できないわけだが、記事は「中国メーカーのこのような姿勢が中国国内の消費者からの信頼を損なう原因になっている」と指摘し、結果として中国自主ブランドの電気炊飯器の売れ行きが良くないことにつながっていると論じた。

 利益を重視するためにコストを下げるのはビジネスを成功させる点で絶対不可欠だが、日本企業の非常に優れた点はコスト以上に消費者への配慮を重視する点だ。もちろん、これには消費者が製品を使用して健康を害し、それが訴訟問題につながることを未然に防ぐと言ったリスク回避の面もあるだろう。だが、結果として日本企業の電気炊飯器は中国の人びとの心を捉え大きな利益をもたらしたのは事実だ。こうした日本企業の消費者への徹底した配慮こそ、中国企業が学ぶべきモノづくりだと言えよう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)