中国は世界中で使用されるボールペンを生産しているが、ペン先のボールには精密な加工が求められるため、中国はボールの生産設備を輸入に依存せざるを得なかった。しかし最近、中国企業の太鋼集団がボールペンのペン先を自国で生産できる技術を開発したというニュースが話題になっている。

 たかがボールペンのペン先のために多大の労力を費やすことに、一体どれほどの価値があるのかという見方を示す中国人もいるようだが、中国メディアの環球網はこのほど、太鋼集団の製品開発メンバーの1人の声として、ボールペンのペン先の開発が持つビジネス上の大きな価値について説明している。

 記事によれば太鋼集団の製品開発スタッフは、「中国国内のペン先市場だけに目を向けるのは視野が狭い」と説明、ペン先を作るうえで必要となるステンレスの切削技術はさまざまな産業に広く応用できるものであると指摘した。

 さらに、印刷機の小さな部品や、軸類、電子類、小さなモーター類などはすべてこの技術力を発揮できる製品だと説明し、中国企業がペン先を自国で生産できるようになったということは、それだけ切削技術が向上したことを示すものであると論じた。

 記事は、ボールペンのペン先を製造できるようになったことで太鋼集団の株価が大きく上がったと説明。また、太鋼集団はボールペンのペン先だけで決して満足してはいないと指摘、向上した技術をもとにさらに新しい製品の開発も可能になると紹介している。

 もし、太鋼集団のステンレス製品が今後ボールペンだけでなく様々な製品に応用されていくならば、ほかの中国企業は地道な研究開発は必ず報われるという教訓を学ぶ良い機会になるだろう。成果がすぐに現れることはないとしても、研究開発は企業の繁栄に欠かせない重要な要素の1つであり、中国企業は地道な研究開発に取り組めば、日本企業にとって侮れない存在になるかも知れない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)