2016年11月の日印首脳会談で、ムンバイ・アーメダバード間の約500キロを結ぶインド初の高速鉄道に、日本の新幹線方式が導入されることが決定した。2023年の開通を目指すとしているが、インド国内のその他の高速鉄道計画では、受注を巡って、日本は中国などと受注競争を展開する可能性が高い。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、日本は新幹線の輸出でインド市場に狙いを定めているが、高すぎるコストが問題であると主張する記事を掲載した。

 記事は、インドが現在、総延長で約6万3000キロメートルの鉄道を有しており、世界有数の「鉄道大国」であると伝える一方、老朽化が進んでいるインドの鉄道に対し、日本は自国の技術を導入したいと考えていると主張。だが、日本の鉄道は高額で、コストに対してシビアな考えを持つインドへの参入は課題も多いとの見解を示した。

 しかし、日本企業はインドへの進出に積極的のようだ。日印首脳会談直後の16年12月、インド北部のラクナウでは業界団体が主催するインド鉄道技術展示会が開かれたが、会場の約半分は日本企業と団体を対象とした「日本館」が占め、約35の企業と団体が参加したと紹介。新幹線の運転台シミュレーターも設置され、来場者の興味を引いていたと紹介した。

 記事は、この場で日本側の関係者が自信を持って「日本の技術はインド鉄道業界の発展に大きな貢献となる」と発言し、また、出展した日本企業の関係者からは「新幹線の採用決定は、日本の鉄道技術にとっては機が熟したことを意味する」と、インドの巨大市場に期待を示す声もあったと紹介した。

 だが、インドの鉄道市場には別の課題もある。それは年間2万人も死者が出るという鉄道事故の多さだ。多くの場合、その原因には鉄道インフラの老朽化やメンテナンス不足によるもので、「インドと日本には安全意識の面で大きな隔たりがある」のが現状だ。それで、インドの鉄道計画にはインフラだけではなく、まずは「安全面での教育支援などのサポート」が必要だと論じた。

 新幹線をはじめ、日本の鉄道技術の安全性には定評がある。日本の鉄道技術と安全教育が導入されれば、インドの鉄道をめぐる環境は一新されるに違いない。コストは多少高くつくかも知れないが、インド国民の命を守るためにも、新幹線や鉄道技術、さらには安全意識がインドに普及することを願いたい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Jeremy Richards/123RF.COM)