第95回全国高校サッカー選手権大会の決勝戦が9日に行われた。試合が行われた埼玉スタジアムには約4万2000人もの観衆が駆け付けたほどで、全国高校サッカー選手権の注目度の高さがうかがえる。

 クラブチームの試合ならいざしらず、高校生同士の試合でありながら、これだけの観客を動員できるという点には中国のサッカーファンも驚いたようだ。中国メディアの捜狐は10日、中国サッカーの実力は日本と比べると大きな差があると認めたうえで、「どうしたら日本を追い越せるか」という点について議論する記事を掲載した。

 記事はまず、日本の高校サッカーの決勝戦を目の当たりにして「はっきり言って複雑な気持ちだ」と表現。反日感情からすると日本を認めたくはないが、サッカーの観点からすると日本の高校生は衝撃を受けるほどレベルが高く、中国にとって「日本サッカーを超えるのは非常に難しい問題」とした。

 では、日本と中国のサッカーにはどこに違いがあるのだろうか。中国ではジュニアやユースなどの全国大会では「観客が非常に少ない」のが現状だという。レベルが高いとされる北京市の大学同士の試合でさえ、観客は「たった3人」だったこともあり、高校生のサッカーで4万人を動員する日本とは「比較にならない」と嘆いた。中国で4万人もの観客が集まるのは、人気の高いプロチームの試合だけだという。

 では、どうして日本の高校サッカーはここまで人気なのだろうか。記事は、全国高校サッカー選手権大会に「95回目」という歴史があること、「勝てば官軍、負ければ賊軍」のプロよりも、「普通の高校生」の頑張る姿が国民の共感を集めやすいことを指摘した。

 このように、サッカーが「民的的スポーツ」となっている日本は、戦術にも長けているという。記事は筆者が日本で見かけたエピソードを紹介。通りがかった小学校でサッカーの試合をしていたが、当時の日本代表監督だったトルシエ氏のフォーメーションを小学生たちが再現しており、「中田英寿、中村俊輔、小野伸二の影を見た」という。これはつまり、代表チームから小学生までサッカーの戦術に長けていることを意味しており、中国サッカーが日本に遅れているのは当然のことだと結んだ。

 全国高校サッカー選手権大会はJリーグをしのぐほどの人気で、出場選手のなかからプロ選手を何人も輩出している。中国がサッカーで日本を超えたいのなら、まずはサッカーを誰にとっても身近な「国民的スポーツ」にまで高めるのが先決なのかも知れない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)