年末年始も激しいスモッグに見舞われた中国国内では、航空便の欠航や大幅な遅延が相次いだ。東京の羽田空港では、大みそかに帰国するはずだった多くの中国人観光客が空港内で「越年」する事態となった。

 「1月2日午前3時半、私が乗った飛行機は濃いスモッグが立ち込めた天津浜海国際空港に停止した。キャビンのドアが空いた瞬間、大半の乗客が激しい咳をし始めた」

 中国メディア・斉魯晩報は4日、「スモッグのせいで東京に閉じ込められて越年 2度の遅延で帰国」とする記事を掲載した。記事は、年末に日本を訪れ旅行していた記者が昨年12月31日夜のオッケー航空(奥凱航空)便で羽田から天津に戻ろうとしていたところ、激しいスモッグにより遅延となり、出発が翌1月1日の午後以降にずれ込む見込みであるとの情報を得たと紹介。「乗客たちは空港で年越しの夜を過ごし、さらにその半日後にようやく帰国の途に就くこととなった」とした。

 そして、スモッグにより遅延が発生したフライトはこの便だけではなく、羽田空港内の至る場所で中国北部地方へ向かう中国人観光客が充満していたことを伝えている。さらに、1月1日午前には「さらに残念な情報が国内から伝わってきた」とし、中国北部地域のスモッグが消えるどころかさらに酷くなり、目的地である天津などの空港では視界が50メートルにまで低下したと紹介した。

 結局記者が乗る予定だった航空便はほぼ丸1日遅れて日本時間2日未明に出発、北京時間同午前3時半に天津に到着した。記事は最後に「天津から山東省の済南に向かう高速鉄道に乗った際、空はすでに明るくなっていたが、窓の外に見る華北平原は依然として濃い蒼白な色に覆われていた」とまさに「五里霧中」の状況であったことを伝えている。

 冒頭に紹介した到着時の実況が、スモッグの激しさをリアルに物語っている。記事はまた「空気を吸っただけで帰って来たって分かったよ」と語った中年男性の話を「天津人特有のユーモアである」と紹介しているが、彼らに取ってみれば「ユーモアで済まされるレベルではない」といったところだろう。

 皮肉なことに1月1日の東京は見事な快晴で、羽田空港からは富士山をはじめとする山々がはっきりと見えたという。運悪くして「めでたい風景」を拝むこととなった中国人観光客の心中は、さぞや複雑だったことだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)axz65/123RF)