日本がバブル崩壊後に経験した経済成長率の低迷を「失われた20年」などと表現するが、この言葉は中国でも広く知られている。中国では一部で「日本はもはや衰退の一途を辿るしかない」などと、日本経済の先行きを悲観視する声も存在する。

 だが、中国メディアの澎湃新聞は2日、日本の大学で教鞭をとる中国人教授の見解として、中国メディアは日本経済の「失われた20年」を過度に強調するが、実際の日本経済は多くの中国人が想像するほど悪くはないのが現状であると伝えている。

 記事は、現在の日本経済が抱える問題について「消費と投資への意欲が低いこと」、「労働市場で非正規雇用が増えていること」を挙げ、貧富の格差が拡大していることを指摘、「確かに現在の日本経済は好調というわけではない」と論じた。

 一方で、日本企業の技術力は世界的に見ても非常に高い競争力を持っていると伝え、それはトムソン・ロイターが2015年に発表した「Top 100 グローバル・イノベーター」に日本から世界最多となる40社が選出されたことでも見て取れると指摘。中国では日本企業の衰退が強調されているとしながらも、日本企業はすでに家電分野などにおいて最終製品から部品供給へと事業分野を変化させているとし、自動車やハイエンドスマホの多くの部品は日本企業の部品であると指摘した。

 また、日本企業は世界中で投資と買収を展開しており、日本経済は「国内総生産(GDP)」だけでなく、日本国外における経済活動も含めて評価する必要があると指摘。日本経済とは保守的で低効率な本土の経済と、先進的で競争力の高い国外の経済という2つによって成り立っていると主張し、こうした意味からすれば「実際の日本経済は多くの中国人が想像するほど悪くはないのが現状である」と伝えた。

 GDPが一国の国内で生み出された付加価値を計る指標であるのに対し、国外からの所得も計る指標には国民総所得(GNI)がある。日本は世界最大の債権国であり、国外に莫大な純資産を保有しているため、近年は国外からの所得の純受取が増加傾向にあり、GDPとGNIの数値に乖離が生じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)