台湾では今、2011年の東日本大震災に伴う福島第1原発事故による福島など日本の5県からの食品輸入規制の緩和の是非を巡って揺れている。中国メディア・海外網は27日、この件について「日本は韓国をWTOに訴えているのに台湾を訴えていない」とする記事を掲載した。

 記事は、原発事故発生後に韓国が直ちに福島など8県地域の一部水産品の輸入を禁止し、13年には同地域のすべての水産品へと禁止範囲を拡大したと紹介。これに対して日本は15年5月にWTOの仲裁機関に対して訴えを起こしたと伝えた。

 一方で、台湾も韓国同様に5件からの食品輸入を禁止しているにも関わらず、日本は台湾当局を提訴していないとし、これについて台湾の対日窓口機関である亜東関係協会の蔡明耀事務局長が「日本政府は台湾との友好関係を重視しており、WTOに提訴することなく、台湾側に対して理性的に解禁問題の議論を行うことを望んできた」と語ったことを伝えた。

 また、蔡氏が「WTOの規定では『品目』を禁止対象としなければならず、地域という枠で食品輸入を禁止しないことになっている」とし、「島民の安全を守るために設けた台湾当局による規定を非難することはできないが、事故発生からすでに5年が経過しており、日本の食品が安全かどうかを理性的に探ってもいいはずだ」としたことを紹介している。

 記事は、国民党政権下で出された食品輸入禁止措置について、今年5月に発足した民進党の蔡英文政権が段階的に緩和する案を示したところ、市民から反対の声が出続けていると説明。今月25日にもい数千人の市民が台北でデモを行い、蔡総統の退陣を求めたと伝えた。

 政府が市民の健康や安全を守るのは当然のこと。これまで禁止していたものを政権交代によって突然変えれば、市民が不安を覚えることも理解できる。しかし、明確な根拠を示せないまま輸入禁止を続けていれば、それは国を越えた風評被害との誹りを受けても仕方ない。輸入禁止を続行するにしても、解除するにしても、台湾当局は客観的なデータを示さなければならない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)