ECサービスの急発展により、中国ではデパートなどの小売店舗が窮地に立たされているという。ネットショッピングに負けない、実体店舗ならではの優位性を見出し、強化することが生存の道だ。中国メディア・今日頭条は27日、「日本のデパートはどうして死なないのか」とする記事を掲載した。

 記事は、21世紀に入ってIT産業が急発展して日本でもECが成長を遂げ、楽天などのECサイトが高い人気を誇っていると紹介。にもかかわらずデパートは相変わらず多くの人で賑わっているとし、その理由について3つの点を挙げて考察している。

 1つ目は「優れたショッピング環境づくり」だ。広々とした売り場、楽しさや喜びを感じさせるディスプレイ方法、各階に休憩スペースや喫茶店がある、基本的に客が自由に試着、試用できるといった点をポイントとして紹介している。

 2つ目は「サービス」を挙げた。いかなる時も笑顔を絶やさない従業員、持つことに喜びを感じる美しい包装、持ち帰りが難しい時の、商品配送サービス、そして閉店時間になっても客を追いだすことなく、最後の客まで見送る点について説明した。

 3つ目は「経営の方式」だ。入居する各テナントが銘々に経営して全体的な統一感の薄い中国に対して、日本ではデパート全体に一貫した理念や追求が存在すると説明。入居するテナントがデパートの方針を理解したパートナー的存在になっていることを伝えた。

 記事は、日本のデパートを視察した中国のデパート経営者たちが「商品の仕入れ能力では日本に負けていない。日本のデパートとの大きな差は、サービス意識、価格競争の2点にある」と深く感じ入ったと紹介。中国政府に対して速やかにECに対する課税措置を実施し、伝統的なデパート業界の革新や発展に対する助成を行うよう提案すべきだとの声が出たとしている。

 中国のEC業界は急発展を遂げたが、急発展ゆえに管理面やサービスの質の向上といった課題が残っている。デパート業界が魅力や長所を全面的に打ち出して挽回を図るチャンスはまだまだあるはずだ。そしてまた、ECと競争する一方で共存共栄の道を積極的に模索する必要もある。いずれにせよ、今の中国デパート業界に求められている基本的な部分は、経営者たちが実感したという「サービス意識の向上」だ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)