中国国内ではしばしば、自国のサッカー界と日本や韓国との差についての議論を見かける。近ごろ多いのは「お金の使い道」についての問題で、国外のスター選手の「爆買い」に資金を注ぎこむ姿勢への批判も出ている。「選手の育成にもっとお金をかけろ」という声もあるが、投資する必要があるのはそれだけではないようだ。

 中国メディア・今日頭条は28日、「中国の『鳥の巣』のピッチはどうして、日本のJリーグのスタジアムに追いつけないのか」とする記事を掲載した。「鳥の巣」とは、2008年の北京五輪でメイン会場となった北京国家体育場のことである。記事は、かつて「鳥の巣」でプレーしたことのあるイタリア・インテルの選手が「鳥の巣のピッチは畑のようだ」と語ったと紹介する一方で、日本のJリーグクラブが本拠地にしているスタジアムのピッチの画像を掲載した。

 紹介されたのは柏レイソル、ガンバ大阪、FC東京、鹿島アントラーズ、名古屋グランパス、浦和レッズのスタジアムだ。そのうえで記事は、「今は重要な時期。中国のサッカー協会が正しい方向へと進むことができるかどうかを見なければならない」としている。

 これに対し中国のネットユーザーからは「中国の問題は、ハードを作っても責任意識や管理が不足し、野放し状態になってしまうこと」、「管理にお金を使っていないからだ」、「中国のプロサッカーは真のプロではない」といったコメントが寄せられた。また、「鳥の巣」に対する様々な意見もあった。「鳥の巣はコンサート会場だから」、「今の鳥の巣は、芝生にお金をかけても意味がない」といったもので、「鳥の巣」自体が競技場としてあまり利用されていない状況もあるようだ。

 プロサッカーの競技場は天然芝が基本。メンテナンスフリーな人工芝とは異なり、生きた植物である天然芝の管理には卓越した技術と経験が必要だ。当然、メンテナンス費用も安くない。しかし、この部分をしっかりやらなければ選手が最高のパフォーマンスを発揮できないばかりか、負傷のリスクさえ高まってしまう。中国のサッカー界に求められているのは、確固たる育成システムに基づく選手の能力向上だけではない。サッカー競技を行ううえでの良質な環境づくり、「作ったものをメンテナンスして大切に使っていく姿勢」も必要なのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)krysq/123RF)