中国では、習近平体制が正式発足した2013年から、それまで大量の無駄遣いが発生していた公費接待を厳しく制限する状況が続いている。これにより、公費接待で盛んに振る舞われていたマオタイ酒などの高級酒や高級タバコ、上海ガニなどの高級食材の売り上げに大きな打撃を与えたことが話題にもなった。それから3年あまりが経過した現在、公費の倹約精神は中国の役人の間にすっかり根付いたのだろうか。

 中国メディア・新華網は22日、「各国はどうやって公費による飲食を厳しくコントロールしているのか」とする記事を掲載した。記事は、日本、シンガポール、ドイツ、米国における、公費接待による無駄遣いの防止策について紹介している。

 日本については「民間による行政オンブズマン制度」の構築を挙げた。記事は、日本が中国同様「酒がコミュニケーションを図り、問題を解決する重要な手段と見なされている」とし、特に日本では酒席を断れば排斥され、食いはぐれるリスクがより大きいと説明。一方で日本では公費を用いることなく、ポケットマネーで酒席に参加することが暗黙の了解になっているとし、それは「民間による行政に対する厳しい監督が大いに関係しているのである」と伝えた。

 そして、日本では1990年代以降各地で民間による行政オブザーバー制度が作られ、民間組織である全国市民オンブズマン連絡会議が行政による行為を監督し、公費接待において誰が参加し、どんな料理を頼み、どれだけ使ったかをネット上に公開させていると説明した。

 記事はこのほか、シンガポールでは公費接待を行う際に事前申請が必須とされ、ホストやゲストの数などが制限されていること、ドイツでは煩瑣で厳しい立て替え払いシステムを採用していること、米国では公職者が利害関係者による宴席の招待を受けてはならないなどといった規定があることを紹介している。

 公費の倹約令が出て久しい中国において、「国外ではどうやって公費接待を制限しているのか」といった内容の記事が出てくるということは、同国内においてなおも公費の無駄遣いが存在することを示すものと言えそうだ。トップダウンによる「お触れ」と同時に、市民に厳しい監視の目を持たせることも、中国における公費の無駄遣いを撲滅するうえでは必要なのかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)