日本国内で、アスリートのプロ転向の波が起こりつつある。今年のリオ五輪後に体操の内村航平がプロ転向を発表したのに続き、先日は水泳の萩野公介が大学卒業後の来春、北島康介氏に続く水泳界2人目のプロ選手となる意向を示したと伝えられた。また、有力選手がマネジメント企業と契約するケースも一般的になっている。

 中国メディア・今日頭条は21日、「日本のスポーツ界が大きな動きを見せた 中国も学ばなければ、完全に置いていかれることになる」とする記事を掲載した。記事は、リオ五輪400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した荻野が「体制の枠組みから外れ、真の意味でプロスポーツ選手となる」と伝えた。また、その前に内村がすでにプロ選手になっており「この2人は今後、大会の賞金や広告収入を協会などに納入するする必要がなくなる」と説明。同時に、2人がスポーツマネジメント企業と契約を結んだことを紹介している。

 そのうえで、アスリートのプロ転向は「ハイレベルな選手に取ってみれば、間違いなくポジティブな作用を起こす」と解説。自分で利益も損も背負うことになり、自己責任の意識が芽生えるからだ。質の高いトレーニングをこなし、各種大会で好成績をあげることで初めて、より多くのスポンサーを得ることができるのだ」と説明した。

 また、プロ転向の意向を示した萩野以外にも、日本の水泳界では瀬戸大也、渡部香生子といった有力アスリートがスポーツマネジメント企業と契約を結んでいること、そして萩野が契約しているマネジメント企業の社長が北島氏であることを紹介。競泳界の第一人者が、自らの経験を生かしてスポーツビジネスの振興に乗り出していることを伝えた。

 記事は一方で、中国水泳界の状況を紹介。協会が選手のプロ転向を認める様子はなく、マネジメント契約をする選手が一部にはいる一方でエンターテインメント系企業など必ずしもスポーツビジネスに特化した会社ではないと指摘した。そして「萩野のプロ転向が成功するとは限らない。しかし、大きな方向性としては間違っていない」とし、中国の協会や国のスポーツ総局が選手のプロ転向に対して柔軟な姿勢を取らなければ「中国の水泳代表チームは、東京五輪で惨敗を喫するかもしれない」と結んだ。

 すでに引退してしまったが、中国の女子テニス界には李娜という世界一流のプロ選手がいた。彼女は国家スポーツ総局以下の中国国内のスポーツ管理体制から距離を置き、自らのパフォーマンスを最大限発揮できる環境を保てたことで世界ランキング2位、グランドスラム優勝という成績を残した。今後、他の競技においても彼女のような成功モデルを構築できるだろうか。当局や協会にその度量があるかどうか、「国のために」という言葉にがんじがらめになることなく、アスリート個人の成長、成功を尊重できる寛容さが中国社会全体で持てるかが問題である。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)