今年、日本の深刻な社会問題の1つである過労死について大きな議論を巻き起こした元電通社員女性の自殺問題。女性が命を絶った昨年のクリスマスイブから1年が経とうとしている。今年の12月24日は、改めて日本人や日本企業の働き方について考える日になりそうだ。中国メディア・解放日報は19日、過労死が世界的に注目される社会問題となっている日本において、官民協力の下で過労死撲滅に向けて様々な努力が行われていることを紹介する記事を掲載した。

 記事は、日本社会には過労死が「容認できない、社会の暗黒面」であるとの共通認識があるとした。そして、2014年には過労死問題を解決するための法整備を政府に呼びかける50万人分の署名が集まり、同6月20日に「過労死等防止対策推進法」が参議院で全会一致で可決され、その後施行されたことを紹介。さらに、過労死に関する民間の研究団体や遺族会などが続々と誕生していったと伝えた。

 また、政府は今年初めて「過労死等防止対策白書」を発表したほか、政府が毎年国会に対して過労死の状況や対策について報告を行うことを義務付けたと説明。厚生労働省は労働基準監督官による巡視や違反企業の検挙を実施するほか、過労死事例の研究、労働条件の相談窓口設置、企業や国民に対する過労死予防知識の啓もう、過労死予防に関する民間団体の支援を重点に取り組んでいるとした。

 記事はさらに、日本政府の推進のもとで各企業が続々と従業員の長すぎる就業時間削減やストレス軽減のための措置を講じ始めていると紹介。就業時間ではなく仕事の効率を評価対象とする、午後8時以降の就業を禁止する、4時間労働の日を設ける、社内のフィットネス施設を充実させる、ストレス発散室を設けるなどといった事例を紹介した。

 また、日本では「疲労学」という学問が立ち上げられ、疲労の数値化も進んでいるとし、先日横浜で開かれた国際疲労学シンポジウムでは、指を入れるとコンピューターが「疲労指数」を示す測定器が展示されたことを併せて伝えた。

 拘束時間の長さはもちろんの事、様々なハラスメントや職場の人間関係によるストレスも、過労による心身失調や過労死を招く要因の1つである。さらに広げれば、日々の食生活や生活習慣も心身の充実や疲労に少なからず関わってくる。単なる労働時間削減で終わらない、働きやすい環境づくりが必要である。

 中国でも都市部では急速な経済成長により、働く人びとの生活リズムが大きく変化し、往々にしてストレスをため込みやすい状況となっている。以前、愛するペットを社内に持ち込みOKとする会社の存在が中国メディアで報じられたことがあった。ペット持ち込みの是非はさておき、働きやすい環境を作ろうという試みの精神は評価されるべきだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)