日本では百貨店業界が苦境に立たされている。2016年10月の全国百貨店売上高は前年同月比3.9%減となり、8カ月連続で前年割れとなった。中国人旅行客による爆買いで「この世の春」を謳歌した百貨店業界だったが、爆買いの勢いはすでに失われており、再び爆買いが起きるかどうかは不透明な状況だ。

 百貨店不振の原因として、一部では中国人旅行客の爆買いブームが過ぎ去ったことが関係しているとの分析があるなか、中国メディアの東方頭条はこのほど、「本当に中国人旅行客のせいなのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 アベノミクスによって円安が進行し、訪日外国人も増加、それによる消費も増加したものの、円高や中国の関税引き上げによって爆買いは鈍化してしまった。

 記事は、中国人旅行客による爆買いを百貨店の業績不振の理由とするのは、「あまりに偏っている」と主張。インバウンド(訪日外国人)は為替など外部環境に左右されがちであり、日本の小売業界はそもそもインバウンドに過度の依存すべきではないと主張した。

 さらに、百貨店不振の原因の1つは日本人の消費概念の変化とネット通販の台頭によるものだと主張。百貨店は日本人客の求める消費の形を提供できていないため、百貨店にかぎらず、実店舗営業は打撃を受けているのが現状であると主張し、日本国内で言われている「中国人による爆買い終焉が百貨店の不振をもたらした」という分析は間違っていると反発した。

 百貨店の不振について、インバウンドを強化する一方で日本人消費者を置き去りにしてきたツケが回ってきたとの見方があるのも事実だ。為替動向によって再び爆買いブームが起きる可能性はあるが、中国政府が関税の引き上げを行った以上、やはりそのブームも長期にわたって続くとは考えにくい。また、中国人旅行客の日本国内での消費がモノからコトへと移行していると言われているとおり、中国人の消費概念が成熟するにつれ、爆買いはどんどん少なくなっていくとも考えられる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)