中国ではしばらく前に「感覚身体被掏空」というタイトルの歌が話題になった。このタイトルは、身体からすべてのエネルギーを絞り取られている感じがするという意味で、上司に残業を命じられクタクタになる生活を表現した歌だ。著しい経済成長を遂げた中国だが、中国人も仕事に追われて疲弊している様子が見て取れる。

 中国メディアの金羊網は10日付で、中国では毎年60万人が過労死しており、「中国は日本を超えた過労死大国だ」と紹介、その現状について説明している。

 記事は、昔の中国では過労死の脅威に直面していたのは肉体労働者だったが、近年は頭脳労働者の過労死が増えていると伝え、過労死の平均年齢が44歳と若年化していると説明。広告、メディア、医療、金融などの業種においても過労死が増えていることを伝え、例えば2015年3月に深セン市でIT関連の業務に従事していた36歳の男性が酒場のトイレで急死しているのが発見されたが、毎日早朝の5-6時まで残業し続けるという生活だったと紹介した。

 さらに、2015年7月に江蘇省の芸能プロダクションで働いていた従業員が急性心不全で死亡した事例や、16年6月にはネットメディアの編集者が脳溢血で急死したという事例、同じく16年6月30日には南方医科大学付属南方医院の医師が45歳で死亡したという事例も紹介。これらにはすべて「過酷な労働」という共通点があったと指摘した。

 「過労死」という言葉は英語でも「karoshi」と表記される。働きすぎによる死という悲しい結末は日本特有のものと考えられがちだが、中国でも近年は過労死が問題となっていることが分かる。中国は労働環境の整備が日本より遅れており、こうした点も過労死する人の増加に拍車をかけていると言えよう。前述の「感覚身体被掏空」は中国SNSのウェイボーにアップロードされてから、わずか7時間で300万回以上も再生されたという。つまりそれだけ過酷な労働状況や過労死について関心をもつ人が中国には多いということだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)