日本政府は8日、中国を世界貿易機関(WTO)の「市場経済国」と認めない方針を発表した。米国や欧州連合(EU)も同様の考えだ。中国が過剰生産の鉄鋼などを大量に安く輸出していることで、世界的な価格下落を引き起こしている現状を見れば、「反ダンピング(不当廉売)課税」が科しやすくなる今回の決定は必然と言えるだろう。

 しかし、当然のことながら中国は強く反発している。中国メディアの南方財富網は9日、中国は市場経済国であると主張し、それを認めない日米欧を批判する記事を掲載した。

 中国は2001年にWTOに加盟した際に、15年間は「非市場経済国」の地位を受け入れることに合意。WTO加盟からちょうど15年となる11日に、自動的に市場経済国に移行すると中国側は主張している。これを認めない決定を下した日米欧に対し、中国は「WTO加盟議定書第15条の履行という義務を果たしていない」と非難し、WHO協定に基づき相応の措置を取るとしている。

 記事は、ロシア、ブラジル、スイスなど80以上の国と地域が中国の立場を支持していると主張しているが、ではなぜ日米欧は中国の市場経済国としての地位を認めなかったのだろうか。その理由について、反ダンピング課税が難しいとなると米国にとっては価格競争によって損失が大きくなること、EUにとっては350万人もの失業者が出る可能性があることを挙げた。

 また、市場経済国として認められないことによる中国の不利益には、反ダンピング課税が科されやすくなることのほかに、国際的なイメージの低下があるとした。

 経済成長が減速している中国としては、なんとしても市場経済国の仲間入りをしたいところだろう。しかし、鉄鋼製品を安価で輸出し、世界的に価格下落を招いている問題では中国のほうがWTO協定に反するようなことをしているわけであり、市場経済国として認められることを要求するのは少し虫が良すぎるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)