日本のマンガ・アニメ文化の影響を受け、中国のアニメ業界も少しづつ成長を始めている。日本でも中国発のアニメがテレビやネット上で放映され、中国国内で話題を集めたが、映画「君の名は。」の中国での大ヒットは、日本アニメの持つ実力を改めて中国国内に知らしめることになったようだ。中国メディア・今日頭条は11日、「『君の名は。』は中国にないのが技術ではなく、創作力である」とする記事を掲載した。

 記事は、同作品が中国で公開されて以降、すでにのべ1400万人が映画館に足を運んだと紹介。中国国内で同じタイミングで公開された映画はいずれも惨憺たる状況になっていると紹介。そのうえで、「この現象を見たら、多くの人が日本映画をボイコットせよと言い、絶対に『君の名は。』を見に行かないだろう。しかし、それでも多くの人が映画館に足を運ぶのだ」とした。

 そして「これは認めざるを得ない事実だ」として、「君の名は。」は確かに素晴らしい映画であると説明。映画館から出てくる人の評価に加え、ネット上でも高い評点が付いているとし、同作品が持つ魅力はストーリーにあると解説した。一方で、作品全体を通じて特殊な効果はほとんど用いられておらず、「中国の映画製作レベルでも完全に到達することができる」と評している。
 
 記事は、日本に匹敵するほどのアニメーション技術を持ちながら、同作品のような傑作が出てこない中国のアニメーション業界について、「最大の差は間違いなく創作の部分にあるのだ」と指摘。男女の主人公が夢の中で体が入れ替わり、そこから発展するストーリーは「まさに多くの人の興味を引きつけた」と説明した。

 そして、「中国は映画が不足しているわけではない訳ではない。しかし、良い映画がとても不足している」とし、国外の良作に対して嫉妬したり排斥を訴えたりすることなく、良い点を参考にすべきだと呼びかけている。

 男女が入れ替わるという出来事自体は決して日本の映像作品では新しいものではない。同作品は単なる「男女が入れ替わる恋愛ストーリー」という点以外にも、観客の心を掴んで離さない発想がふんだんに織り込まれているのだ。中国で傑作と呼ばれるアニメーション作品を生み出すにはやはり、記事の指摘する通り海外の傑作から建設的に学び、良い意味良い意味で模倣し、経験を積み重ねていくプロセスが必要だろう。その取り組みは、単なる「パクリ」とは全く異なるものなのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)