日本政府は8日、中国を世界貿易機関(WTO)協定上の「市場経済国」に認定しない方針を示した。中国は日本の方針に強く反発しており、中国のネット上では一部で「日本への報復を行うべき」と主張する論調も存在する。

 中国メディアの今日頭条は10日、米国と欧州に続き、日本も中国を市場経済国に認めなかったことを指摘し、日本は「中国がこれだけ発展しても、まだ中国を侮辱しようとする」と反発したうえで、中国はまず日本に対して報復すべきであると論じた。

 記事は、中国には日本が「恐れる武器」が3つあると主張し、1つ目の武器として「希土類(レアアース)の輸出制限」を挙げた。レアアースはハイテク製品に必要不可欠な物質であると同時に、中国はレアアース生産大国であると主張。2010年に中国がレアアースの輸出制限を行い、日米が輸出制限は協定違反だとWTOに提訴した件では中国は敗訴したが、「日米欧が中国を市場経済国と認めない以上、どうせ中国は市場経済国でないのだから、いっそのことレアアースを禁輸すべきだ」と主張した。

 続けて、2つ目の武器として「中国人旅行客」の存在を挙げ、旺盛な消費を行う中国人旅行客は渡航先に大きな経済効果をもたらしていると指摘。日本も中国人旅行客の爆買いで潤っていることを指摘したうえで、「中国政府が日本への渡航を制限すれば、インバウンドで潤っていた日本経済にとっては一定の打撃となる」と指摘した。

 また記事は、3つ目の武器として、「日本のソフトパワーの中国における流通を制限すること」を挙げた。中国では日本のアニメ映画「君の名は。」がヒットしているが、アニメや漫画、映画を中国で流通、公開を禁じれば、日本企業にとっては重要な市場の喪失を意味すると指摘したうえで、「THAAD(高高度ミサイル防衛体系)導入による限韓令によって韓流コンテンツがどのような境遇に陥ったか、日本はよく見ておくべきだ」と論じている。

 中国の市場経済国の地位認定が見送られたのはれっきとした理由が存在する。国内で捌ききれなくなった鉄鋼製品を政府の保護のもと安価で世界中に輸出していることは「不当廉売」に該当する。自らの責任を棚上げし、自らの主張が認められないから報復すると主張するのはあまりに幼稚だと言わざるを得ない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)