中国における日本のアニメ作品の人気ぶりは、今や知らない人はいないというほど有名になった。先日中国で公開された話題作「君の名は。」も、記録的な興行収入を挙げている。日本アニメが中国に入ったのは1980年代の始め。以後35年以上、日本のアニメ文化は中国で紆余曲折を経ながら発展してきたのだ。

 中国メディア・今日頭条は9日、「国内に入ってきて三十余年。日本のアニメは何を得たのか」とする記事を掲載した。記事は80年12月に中央テレビ(CCTV)が初の日本アニメ作品「鉄腕アトム」を放送して始まった、日本アニメが中国で歩んできた足跡について「繁栄期」、「野蛮成長期」、「封鎖期」、「復活期」の4つに分けて紹介している。

 80年代の「繁栄期」では、「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」、「一休さん」、「花の子ルンルン」といった作品が続々と中国に入り、日本作品が輸入アニメの主力になったと紹介。中国語の吹きかえや主題歌は中国人視聴者に強いアイデンティティを抱かせたと説明した。さらに中期以降はロボットアニメが続々放映され、後期には「キャプテン翼」、「ドラゴンボール」など日本で大人気だったマンガ作品のアニメ版も入って来るようになったとした。

 90年代の「野蛮成長期」は、いわば日本アニメの氾濫といったイメージだ。「美少女戦士セーラームーン」、「スラムダンク」、「名探偵コナン」、「ちびまる子ちゃん」、「クレヨンしんちゃん」など黄金期とされた日本のアニメ作品が続々中国に登場する一方、暴力的な作品や成人向けの作品も当局の規制がないまま中国になだれ込み、社会問題になり始めたと説明した。また、海賊版作品の氾濫も深刻化し始めたとしている。

 そして2000年以降の「封鎖期」に入る。記事は、00年3月に中国の放送当局が「日本アニメの封殺」を狙いとした「アニメ作品の引き込み、および、放映管理の強化に関する通知」を発表したと紹介。さらに06年前後には、各テレビ局の夜のゴールデンタイムに輸入アニメ作品の放映を禁止する「お触れ」が出されたとした。テレビから追い出された日本のアニメは、主にネット上に活動の場を移すが、15年には当局が「暴力を宣揚する」として一部の日本作品を放映した動画サイトを処罰する動きを見せたとし、「ネット上も自由の地ではなくなった」と伝えた。

 輸入アニメに対する規制が出される一方で、10年以降は「名探偵コナン」などの人気作品の劇場版が徐々に中国の映画館で放映にされるようになり、16年になると「ドラえもん」、「ナルト」、「ワンピース」、そして、「君の名は。」と年間9作品まで急増。記事は、今年を中国における日本アニメの「復興期」の始まりとしている。

 中国の当局は国産アニメの振興を目的として、青少年への影響など様々な理由のもとで規制を仕掛けてきた。しかし、80年代90年代生まれを中心とする日本のマンガ・アニメファンの、作品に対する欲求は根強く、旺盛になる一方だ。現在、日本アニメの薫陶を受けてきた中国のクリエーターたちがが才能を開花させ始めている。彼らを支えとする、中国国産アニメ急成長の時代の到来も遠くなさそうである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)neftali77/123RF)