1970年代末にスタートした改革開放路線を歩み続け、現在、「社会主義市場経済」という前代未聞の経済体制を掲げている中国。しかし、種々の理由により、国際的には「中国は市場経済に非ず」とのジャッジが下されている。中国メディア・今日頭条は8日、日本が欧米同様、中国の市場経済国という立ち位置を認めないことを発表したことを報じた。

 記事は、日本の経済産業省が8日、中国の国際貿易機関(WTO)における地位について、引き続き「市場経済国」とは認めないと決定したことを発表したと紹介。中国の「市場経済国」認定問題は、2001年にWTO加盟した際に署名した加盟議定書に端を発しているとし、同議定書第15条に「中国の製品にアンチダンピング調査を実施する際、中国製品の国内価格ではなく第三国製品の価格を基準にする。この待遇を15年保持する」と規定されていることを説明した。

 そして、今月に中国がWTO加盟満15周年を迎え、議定書に基づけば中国に市場経済の地位を与えるべきであるが、日本は期限が切れる11日以降も引き続き中国を「非市場経済国」とみなし、同条項を継続する態度を示したと伝えている。また、その背景には生産過剰問題を抱える中国で生産された廉価な製品が、大量に流入することを危惧し、引き続きアンチダンピング制度を発動しやすい状況を保つ狙いがあるとの見解も併せて紹介した。

 「社会主義『市場経済』」を標榜する中国政府にとっては、いささか屈辱的な判断と言えそうだが、ネット世論の反応は異なるようだ。「欧米や日本に言われなくても、中国人は自分の国が市場経済だと認識していない」、「私は国を愛しているが、われわれが市場経済でないのは本当。どれほどの独占業界が市民の生き血を吸い取っていることか」、「中国では一切の重要分野は、すべて絶対的な国家独占状態。著しく経済の規律に反しており、深刻な浪費、製品の品質やサービスレベルの低下という結果を招いているのだ」といったコメントが寄せられ、多くの賛同が集まっている。

 計画経済から社会主義市場経済への転換のなかで、中国政府は20年来国有企業改革に取り組んできた。赤字を垂れ流している国有企業を次々と統廃合し、腐敗の防止に取り組んできたが、エネルギーや鉄道、通信、航空といった重要分野を中心に国有企業による独占、寡占状態は変わっておらず、民営化の足取りは鈍い。記事に寄せられたコメントを見る限り、この状況に対する中国市民の不満や怒りの声は、改革が進んでもなお根強く残っていることが伺える。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)