日本で食べ物の話をする際、単に「肉」と言っても一体何の肉を指すのかはっきりしない。しかし、中国では「肉」と言えば自ずと豚肉のことを指す。「青椒肉絲」と書くチンジャオロースは豚肉だからこそ「青椒肉絲」なのであって、牛肉なら「青椒牛肉絲」となるのだ。日本同様、牛も豚も鶏もそして羊も食べる中国だが、やはり豚肉が最もポピュラーな「肉」ということなのだろう。

 そんな中国では当然のことながら、養豚業が盛んである。しかし、数年前には注水して目方を増やす、禁止されている添加剤を飼料に混ぜるといった問題が取り沙汰されたこともあった。より安全、安心な養豚が求められる中、中国メディア・今日頭条は6日、「日本から取り入れた養豚技術が今、中国で広く用いられている」とする記事を掲載した。

 記事は、従来の形式による養豚は周囲の環境に悪影響を与えるほか、抗生物質などの薬物の濫用が豚の健康や肉の品質に影響を及ぼすと紹介。これらの問題は日増しに顕著になっており、養豚業の健全な発展が阻害されてしまっているとした。そのうえで、発酵床による養豚技術を「新型の健康な養豚方式である」と紹介。微生物の発酵技術を用いることで、養豚で発生するニオイや環境汚染の問題を低減できる「省エネかつ環境に優しい養豚だ」と説明した。

 そして、人や物、水の資源を大幅に節約でき、養豚の効率も高まり、抗生物質の使用も減らせる発酵床養豚技術は、日本が真っ先に研究に取り組んだものであるとし、中国では江蘇省鎮江市が、おがくずの発酵床を用いた養豚技術を初めて日本から取り入れたと解説。その後、発酵床の技術は中国国内で徐々に広まりつつあるとしている。

 「豚はかなりのきれい好き」と言われるが、記事が紹介した発酵床の養豚技術で必要とされるのは、マメな管理できれいな環境を保つこと。これを怠れば、かえって病原菌をまん延させ、環境を悪化させることになる。ここでも「匠の精神」が物を言うのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)