サッカーJリーグ・浦和レッズに所属する日本代表DF槙野智章に、中国スーパーリーグ(「中超」)の広州恒大が獲得オファーを出したとの情報が流れ、話題を集めている。中国メディア・今日頭条は5日、もし槙野の広州加入が実現すれば、これまでほとんどなかった日本人選手の中国リーグ移籍の流れを作る可能性があるとする記事を掲載した。

 記事は槙野について、日本代表に欠かせないディフェンスプレーヤーであると紹介。一方で、「中超」発足から12年の歴史の中で、日本人選手が加入したケースはわずか3例しかないとした。それは楽山孝志、巻誠一郎、大黒将志の3人で、いずれも同リーグの深センで指揮をとったトルシエ元日本代表監督、杭州で監督を務めた岡田武史元日本代表監督との関係で加入したものの、リーグで活躍することはできず、2人の監督が退任するのに合わせて彼らも続々と退団したと説明している。

 そのうえで、日本の選手が同リーグのクラブにやって来ない理由について、日本人の中に「同リーグのレベルが低い」、「Jリーグの給料に満足している」、「日本とサッカースタイルが合わない」といったイメージがあると解説した。サッカースタイルについては、日本がチームプレーを重視するのに対し、中国サッカーは個人の能力と強いフィジカルが物を言うという違いがあると伝えた。

 一方で記事は、「客観的に見て、近年の『中超』は技術重視の戦術を採用し始めている。そして、リーグのレベルや選手の給料も大幅に上昇した。広州恒大は中国屈指のチームであり、戦略的に中国サッカーの最先端を行っている」と紹介。日本人のイメージにある中国サッカーとは違うものになりつつあるとの見方を示した。そして、かつてFC東京や大宮アルディージャに在籍した韓国代表DF金英権が2012年に広州に加入、成功して以降、韓国人選手のなかで中国クラブ移籍ブームが起きたことを挙げ、「もし今回、広州が槙野の獲得に成功すれば、日本選手の中国移籍熱を呼び覚ますことになるかもしれない」としている。

 巨額の資金を背景に海外から大物選手を呼び寄せる傾向にある今の「中超」。広州恒大はその最たる例ではあるが、一方で今年同リーグ6連覇を果たしたほか、13年、15年と2度アジアのクラブチャンピオンに輝いたのも事実。日本のクラブは08年のガンバ大阪以降このタイトルを手にしていない。環境面などを含めて様々な問題もあるだろうが、中国のクラブと日本人選手の「疎遠な関係」は終わりに近づいているのかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)