ノーベル賞の授賞式が10日スウェーデンで行われることで、中国国内で再びノーベル賞関連の話題が盛り上がっている。中でもやはり、日本をライバル視して「日本に追いつくにはどうしたらいいか」といった類の言論が目立つ。中国メディア・今日頭条は5日、近ごろ毎年のようにノーベル賞受賞者を出している日本について、中国の学術界に影響を与える可能性がある点を3つ挙げて解説する記事を掲載した。

 1つ目は「日本の大学のように『栄誉教授』の称号を設置すること」だ。21世紀以降、ノーベル賞を受賞した日本人の受賞時の平均年齢が68歳に達しているとしたうえで、「大多数の研究者が65歳になると退職状態となってしまい、なおも退職前の同じポジションで社会活動に参加しようとすれば容易に誤解を招く。そこで、日本の大学では栄誉教授という終身的で何の物質的利益を伴わない称号を用意した」と栄誉教授の制度について紹介。退職前に大きな研究成果を出し、しかも、研究倫理に反する行為がなければ称号を手に入れることができるため、研究者のモチベーションを高めるとともに、定年退職を迎えた研究者によるさらなる研究活動にも有益であると論じた。

 2つ目は、「教授クラスの職位に昇進する年齢」だ。21世紀の日本人科学系ノーベル賞受賞者が教授クラスに昇進した平均年齢が43.35歳であると紹介。一方、中国では、各大学における人材の奪い合い、引き留めが激しいために、20代や30代で教授に抜擢してしまうケースが多いと指摘。早々に高いステータスを得た若きエリート研究者たちは研究に対するモチベーションを下げることとなり、また多くの若手学者が「早く出世するために手段を選ばなくなってしまう」と論じた。これでは教授の低質化を招くことになり、学生に対しても悪影響を与えることになるとし、「日本のように45歳前後で教授クラスになるようにする必要がある」と説明している。

 3つ目もやはり年齢の問題で、「若い研究者に対する研究リソースの分配」の面で、中国の学術界に影響を及ぼし得るとした。大きな成果を残す日本の研究者は、教授になる前の40歳ごろにノーベル賞受賞の基礎となる研究成果を出していると紹介。一方、中国では多くの科研費が50歳以上の研究者たちによって握られており、創造力のピークを迎える40歳くらいの時期に「金銭、助手の不足によってインパクトの大きい研究業績を出しにくくなっている」と指摘した。

 日本の制度をそっくりそのまま移植しても意味はなく、中国の学術界が現在抱えている問題を正しく認識したうえで、実情に合う形で参考にし、取り入れるべきだろう。あるネットユーザーは「日本には良好な『お金と人生観』がある」とコメントしていた。中国にだって同じような観念を持った研究者が少なからずいることだろう。彼らにどうやって思う存分研究に励んでもらうかを、国や社会がしっかり考えることだ。それは、現在、そして、未来の日本の学術研究においても同じなのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)chaoss/123RF)