「正直者が馬鹿を見る」という言葉は広く知られたことわざだが、中国メディアの澎湃新聞はこのほど、国家の1人当たりGDPとその国民の誠実度には密接な関係があると論じる記事を掲載した。

 記事は英国のある経済学者が、15カ国の約1500人を対象とした誠実さに関する実験を紹介。その実験とは、被験者にコインを投げてもらい、表が出たと報告した者には報奨を与えるが、裏が出たと報告した者には報奨を与えないという内容だ。

 もし、すべての被験者が誠実に報告すれば、コインの表が出た割合は被験者の50%となるはずだ。だが、記事が紹介した実験結果によると、英国と南アフリカの場合は約50%だったのに対して、日本・韓国・中国の国民は被験者の約80%が「表が出た」と報告したという。

 続けて、同経済学者によるもう1つの実験を紹介。その実験とは音楽の知識に関する同様の趣旨の実験だが、記事はこの実験結果について「日本が最も誠実だった」と伝えた。最初のコインの実験は誠実度が高い順に英国、南アフリカ、ポルトガル、ギリシャ、スイス、デンマーク、トルコ、米国、アルゼンチン、ロシア、ブラジル、インド、韓国、日本、そして中国の順となったが、音楽知識の実験では誠実度が高い順に日本、英国、米国、デンマーク、スイス、南アフリカ、韓国、ギリシャ、アルゼンチン、ロシア、ブラジル、ポルトガル、インド、中国、トルコという結果だった。

 国際通貨基金(IMF)の資料によれば、この15カ国の2015年の1人当たりGDPは高い順にスイス、米国、デンマーク、英国、日本、韓国、ポルトガル、ギリシャ、アルゼンチン、ロシア、トルコ、ブラジル、中国、南アフリカ、そしてインドという順になっている。

 誠実度に関する2つの実験と1人当たりGDPを比較すると、誠実度と1人当たりGDPがともに低いのはインドと中国、また誠実度と1人当たりGDPがともに高い英国に相関関係が見られることがわかる。記事は人に騙される心配のない誠実な社会が、中国に実現することを願ってやまないと指摘しているが、海賊品や偽物が大量に流通し、汚職もはびこる中国は「正直者が馬鹿を見る」社会なのかも知れない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)