中国政府は2025年までに中国を「製造強国」とするための構想「中国製造2025」を打ち出し、製造業の高度化に取り組んでいる。だが、イノベーション能力を養い、技術力を高めることは一朝一夕で実現できることではなく、その道のりは平坦ではない。

 中国メディアの経済観察網はこのほど、製造業の規模を拡大することは容易に実現できた中国にとって「質を高めることがこれほど難しいとは思わなかった」と論じる記事を掲載した。

 記事はまず製造業が中国の国内総生産(GDP)に占める割合は約3分の1に達することを指摘し、中国にとって「製造業」はなくてはならない存在だと指摘、「製造業が発展してこそGDPも成長するのであり、製造業の発展が緩慢になればGDPの増加も緩慢になる」と論じた。

 続けて、中国のGDP成長率が6-7%にまで低下した今日において、製造業の高度化は中国経済にとっても差し迫った課題であると伝える一方、人件費の上昇や技術不足、さらには生産能力の過剰など数多くの問題に直面していると指摘。中国製造業の水準は「ようやく自動化が行われるようになった段階」にあるのに対し、世界ではITと製造業を融合させる段階まで進んでいると論じた。

 また記事は、中国製造業にとって特に技術不足は深刻であり、ITと製造業を融合させる世界的な潮流についていくことができていないと指摘し、「安価な人件費に依存していた企業は他社との差別化もできず、多くの工場が経営難に陥っている」と主張。外資企業を積極的に誘致するなどして、製造業の産業としての規模の拡大は容易に実現できた中国だが、「中国製造2025」のもとで製造業の「質」を高めることがこれほど難しいとは思わなかったと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)