柿やリンゴが一番おいしい時期を迎え、箱入りミカンもスーパーの店頭に並び始めた。まさに「実りの秋」を感じさせる季節である。種類の豊富な果物が比較的安価で楽しめる今の時期だが、日本にやって来た中国人には「べらぼうに高い」と感じるようだ。

 ただ、「日本の果物は非常に高価である」という話にはどうも尾ひれはひれが付きすぎている感が否めない。中国メディア・今日頭条は29日に、日本の果物は「天にのぼるほど高価」であるとする記事を掲載した。記事は日本で売られている果物の値段を紹介しているのだが、それが、16粒7000円のイチゴ、1個2万1000円の四角スイカ、1玉5800円のメロン、1個2100円のリンゴ、1個200円程度のナシとモモ、80粒で約1万円のサクランボ、9個で約2万9000円の白イチゴというラインナップなのである。

 1個200円のナシやモモはまあいいとして、残りの果物は全て高級品。天にのぼるようなお値段なのは当然である。そんなお値段の果物は、お見舞いや何かの懸賞に当たった時ぐらいにしか庶民のお口には入らない。

 今日頭条では28日にも、似たような記事が掲載された。それは「日本の果物は気を付けて食べないと破産する」というタイトルで、日本に住む中国人留学生が「日本で果物を食べたくても高くて食べられない」と嘆いていると説明。そしてこちらも、20万円のマンゴー、63万円の黒玉スイカ、160万円の夕張メロン、1個200円の「普通のリンゴ」、10キロ120万円の高級リンゴと浮世離れした高級フルーツをズラリと並べてきた。「そりゃ、こんな果物ばかり食べていたら簡単に破産するわ」と言いたくなる。1個200円が「普通のリンゴ」なら、日本のスーパーに並ぶ4個入り298円のリンゴは何なのか。

 日本の果物の値段が総じて中国国内より高いことは間違いない。それは生産量や流通コスト、物価や所得水準など様々な理由によるものではあるが、「高くて食べられない」と留学生が嘆くレベルとは言えない。

 日本にだって庶民的な値段で美味しい果物はたくさんあるのだ。そして、破産しそうな値段の果物は、日本人が得意とする「こだわり」が凝集された「珠玉の逸品」なのだ。日本の果物事情を紹介するのであれば、その両方をしっかり区別して紹介してもらいたいものだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)