ベトナム政府は22日、日本とロシアの企業が受注した原子力発電所の建設計画を白紙撤回とすることを決めた。白紙撤回の背景には、ベトナムの財政難のほか、福島原発事故による影響もあるという。

 中国メディアの環球網は24日、日本が近年インフラ輸出に力を入れ、中国と市場をめぐって競合するケースが増えていることを指摘し、ベトナムが原発建設を撤回したことは、「安倍政権が推進するインフラ輸出にとって逆風」であるとの指摘があると伝えている。

 記事は、ベトナムメディアの報道を引用し、ベトナム国会が原発建設の白紙撤回を「92%」の賛成で可決したと伝えつつ、ベトナム政府関係者が「白紙撤回はベトナム国内の経済情勢によるもので、原発技術の安全性に懸念があったためではない」と述べたことを紹介。

 さらに、日本国内では「同原発の建設費用はベトナムにとって高額すぎた」、「財政難と人材不足が原因」といった分析があることを伝えたほか、ロシア国内では「原発がなくてもベトナムのエネルギー安全保障に影響はないが、原発の建設費用はベトナムには負担しきれない規模だった」といった報道があると伝えた。一方、ロシアの有識者は「ベトナムが原発を放棄したのは、原発事故が発生する危険性を懸念したため」ではないかと指摘していると紹介した。

 仮に、ベトナムの原発が完成していれば、原発を含めたインフラ輸出を推進する日本にとっては、福島原発事故のイメージを払拭し、技術力の高さを示す絶好の機会になったはずだ。だが、日本企業が受注していた原発建設をベトナムが白紙撤回としたことに対し、記事は「日本の原発輸出はこれまで何度も頓挫している」と主張、ベトナムの白紙撤回に「日本の関連企業には失望感が漂い、安倍政権のインフラ輸出にとっても大きな打撃になる」などと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)