米大統領戦でドナルド・トランプ氏が勝利したことで、環太平洋経済連携協定(TPP)の実現が危ぶまれている。トランプ氏は選挙戦に勝利したら「大統領の就任初日にTPPからの脱退を宣言する」と主張していたためだ。

 中国メディアの国際金融報は21日、TPPの先行きが危ぶまれるなか、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に対する関心がにわかに高まりつつあると伝え、「中国が主導するRCEPは大きなチャンスに直面している」と報じた。

 RCEPは、ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国と、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの6カ国の計16カ国による自由貿易協定(FTA)であり、世界経済の約3割を占める広域経済圏の確立を目指すものだ。

 記事はまず、TPPを推進していた日本やオーストラリア、ニュージーランドはいずれもTPPの実現を希望しているとしながらも、トランプ氏の勝利によってRCEPへの関心が急激に高まっていると紹介。

 また、ASEAN加盟国のなかでTPPの枠組みに入っていなかった国も、RCEPに対して非常に積極的な態度を示しているとしたほか、TPPによる知的財産権の保護ルールを嫌ったインドもRCEPについては大きな関心を示していることを伝え、米国がTPPから脱退する可能性があるなか、中国が主導するRCEPは大きなチャンスに直面していると論じた。

 そのほか、中国メディアの銀行信息網は、「TPPは米国が中国のぼっ興に対抗するための枠組みとして考案したもの」であると伝える一方、TPPは米国の批准がなければ協定としての意味を成さないと指摘。TPPが「お先真っ暗」である以上、中国が主導するRCEPこそがアジア太平洋自由貿易圏を実現するための唯一の枠組みとなる可能性があると期待を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)