10月に発表された2015年の国勢調査の結果で、日本の総人口が同調査の結果としては初めて減少に転じた。同時に65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は過去最高を記録、相対的にも絶対数でも「日本の若者」が減少している状況が明らかとなった。

 中国メディア・上海証券報は21日、「日本の科学立国はもはや過去の事である」とする記事を掲載した。記事は、日本は敗戦からわずか20年余りで経済大国の地位を確立したが、その大きな要因となったのが一貫した教育の重視であり、長期にわたって実施してきた「科学立国」の戦略が功を奏したのだとした。

 しかし、経済の衰退に伴って、日本の教育はすでにかつての盛況は戻ってこない状況であると説明。最新の世界大学トップ100ランキングに日本からは東京大学と京都大学の2校しか入っていないうえ、両校とも大きく順位を下げたとしている。また、発表された論文数のランキングでも2000年に米国に次ぐ2位だったのが6位に後退し、化学分野では5位、情報科学では10位、社会科学では15位以下に甘んじ、全論文中で引用数が上位1%にあたる高頻度引用論文の数でも韓国やシンガポール、オーストラリアの後塵を拝する結果となったと伝えた。

 さらに、日本の各企業が大学院生、特に、博士号取得者の雇用に対して非常に消極的になる一方、日本の大学や研究機関で育成されるのは日本企業にしか適応できない人材であるとも論じた。そして、このような状況から、日本社会では大学の人材育成に対する不満が日増しに高まっているが、少子化の影響もあってブランド大学ですら学生集めに苦心しており、「学生を集めるために要件を下げざるを得ないが、それでどうやってハイレベルな人材を育てられようか」と指摘した。

 記事は、近年の日本人のノーベル賞受賞者が続出していることについて「しかし、それは昔の貯金を食っているもの。大学の研究レベルが顕著に低下するにつれ研究のピラミッドはどんどん細くなり、この勢いも長くは続かないだろう」と論じている。

 記事の主張に対して、真っ向から反論できないというのが、残念ながら日本の大学における教育や研究の現状ではないだろうか。学生の絶対数が減り、大学どうし、さらには専門学校との競争が激しくなる中で、教育や研究の質を下げることなく、優秀な学生を集めるための工夫が、これからの大学には求められている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)