日本を代表する建築様式と言えば、木造建築。古代の寺院などの建築物はもちろんのこと、現代の民家の多くも木造家屋だ。日本の木造建築文化を支えているのは、長い歴史をかけて代々の職人たちが伝え、発展させてきた木工技術であることは、言うまでもない。

 中国メディア・今日頭条は14日、日本における木工技術の発展ぶりを見て、中国人は反省すべきだとする記事を掲載した。記事は、日本の木工技術が他の多くの伝統技術同様中国から伝わったものであると紹介したうえで、「日本人が中国の木工技術を大いに発展させた」とした。

 そして、どのようにして日本の木工技術が発展し、現代に受け継がれてきたかを知る手掛かりとして、神奈川県横浜市にある木材加工企業の秋山木工について紹介した。オーダーメイド家具を扱う同社は、従業員34人の小さな会社ながら、年商10億円余りに達する優れた業績を収めていると説明。創業者である秋山利輝氏は「秋山学校」という職人育成の学校を作り、同社の職人になるには、この学校の課程を修了することが義務付けられているとした。

 記事は、「秋山学校」で学ぶ一番重要なことは、「人としてどうあるか」ということであり、感謝、礼儀、尊敬、思い遣り、謙虚などの生活上の態度であると説明。これらを学んでからようやく技術を学ぶことが許され、全てのカリキュラムを学ぶのに、実に8年の時間を必要とすると紹介した。そして、秋山氏が「一流の匠にとって、品性が技術よりも大切」という信念を持っていると伝えた。

 そのうえで、中国企業の大部分は「チャンスに乗じて一儲けしようという考えであり、資金や精力を上質なモノの研究開発に注がず、あの手この手の販売手法ばかりに注いでいる」と指摘。「こんな投機的な心構えで、どうやって100年続く企業を作り上げようというのか」と疑問を投げかけている。

 スポーツの世界、特に柔道や剣道などの格闘技において、よく「心技体」という言葉を聞く。体を鍛え、技術を身に着けたとしても、心の鍛錬ができていなければ高みに立つことはできないことを示すものである。その教えは、モノづくりの世界にも十分に当てはまる。素晴らしいモノを作り上げるには、充実した体、確かな技術に加え、仕事に対する真摯な姿勢や謙虚な心が欠かせない。技術の習得と同時に、精神の鍛錬が必要なのだ。

 今の中国では、製造業に「匠の精神」の育成が国をあげたテーマとなっている。「匠の精神」という言葉は美しいが、それをただ叫んでいても身に着くものではない。まずは、己の目先の利益ばかりに浮足立つことのない心を持つことから始めなければならない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)