東南アジアやアフリカといった発展途上地域への支援を巡り、日本と中国が熱い戦いを繰り広げている。現地からの信頼を勝ち取りつつ、自国にとっても実りある支援を行う際に重要となるキーワードは「現地化」である。自らの利益ばかりを考えた押し付け的な支援は、喜ばれないばかりか、反発を買う可能性すらある。

 中国メディア・鳳凰網は15日、日本のアフリカにおけるプロジェクトから中国が学ぶべき点があるとする評論記事を掲載した。記事はまず、「アフリカでは誰かに何かを施してもらった際、感謝するのは神に対してであり、施した人はあくまで神の使いに過ぎないと考える。一方で、悪く扱われた相手については悪魔の化身と認識する」と説明。アフリカでうまくやっていくには、神が存在しない中国の考え方とは異なる「風土と人情」を受け入れなければならないと論じた。

 そのうえで、いかにして「現地化」を実現し、そのなかから真の利益を得るかについて、日本の経験を参考にすべきであるとした。日本は1970-80年代からすでに今の中国の「一帯一路戦略」のような海外進出プロジェクトを実施しているとし、その成功例としてタイのシーラーチャーの発展を挙げた。日本政府は現地に多くの企業を送り込むと同時に、日系の病院や学校と行った公共施設の建設を支援、現地に赴いた日本人のホームシックを和らげ、より快適に現地で生活できる環境を作ってきたことを解説した。

 一方で、中国の海外建設プロジェクトは「半軍事化されたクローズドな管理」が行われており、赴任者とその家族には「コミュニティのない生活」が強いられることになると説明。これでは「現地化」はままならないと論じている。

 記事はまた、ケニアの道路上に走っている自動車の95%は日本製であり、中国製は付け入る隙がないと指摘。新車ではなく中古車を販売ないしは譲渡し、自動車本体ではなく部品の交換によって利益を得るという日本のスタイルは、現地の経済状況に即しているのみならず「自分のいらない物を宝に変え、利用価値を生み出す」という、戦略的な成功であるとした。

 そして、「競争は口先でするものではないし、愛国は感情の中の話ではない。アフリカにおける日本との経済大戦に向けて、しっかり準備はできているだろうか」と中国政府や中国企業に問いかけている。

 途上国にとって、豊富な資金力をバックに持つ支援は非常に魅力的だ。しかし、資金援助やインフラ建設をすればすぐに現地の信頼を得られるわけではない。駐在する企業や従業員と現地市民との良好な関係づくりといった、表には見えない部分の努力も欠かせない。ややもすれば早い段階で「形」を求めたがる中国にとっては、この部分が大きな課題と言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(写真は、タイのシーラーチャーがあるチョンブリー県の海岸、イメージ写真提供:123RF)