世界の工場と呼ばれた中国だが、近年は人件費の上昇が続いており、日系企業を含む外資企業のなかには中国から東南アジアへ工場を移転させる動きがある。こうした動きに対し、中国国内では危機感を示す報道も増えている。

 だが、中国メディアの新浪は11日、日本の対中投資が減少すると同時に中国から撤退する日系企業も増えつつあることに対し、日本国内では「中国市場の投資先としての魅力が低下し、その魅力はもはやベトナムなどの新興国に及ばない」という論調があると伝える一方、日系企業が中国から撤退する真の原因は、「日系企業の競争力が中国企業に追い付かれたためだ」と主張した。

 記事は、中国から撤退する日系企業が増えている背景として「改革開放初期のころと違い、中国が日本からの投資を必要としなくなっている」と主張したほか、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の実現、発効を見込んでTPP参加国に拠点を移す動きがあったと紹介。

 一方で、一部の専門家からは、「日系企業と中国企業の競争力の差が縮小している」という指摘があることを紹介し、日系企業が中国市場における事業の将来性に懸念を示し始めたのは「日系企業の競争力が中国企業に追いつかれつつあるため」と主張した。

 記事は、日系企業の撤退理由は「日系企業の競争力が中国企業に追いつかれつつあるため」としているが、世界の工場だった中国で人件費を含む生産コストが年々上昇しているのは事実であり、生産コストが安く、勤勉な労働者の多い東南アジアに生産拠点を移すのは企業としてはごく自然な選択だ。仮に、中国企業の競争力が日系企業に追いつきつつあるとしても、多くの雇用の受け皿となっている日系企業が中国から撤退することは中国にとって望ましい事態ではないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)