(29)「節句」は“節日”だが
先に「怠け者の節句働き」を“嬾漢節日忙”とした中国訳をうまいと評した。ただし、日本語の「節句」は中国語では確かに“節日”だが,中国語の“節日”には日本語の「節句」以外のものも多く含まれる。

 『現代漢語辞典』で“節日”を引いてみると、こうある。

(1)記念日,如五一国際労働節等。(2)伝統的慶祝或祭祀的日子、如清明節、中秋節等。

 “五一国際労働節”は言うまでもなく「メーデー」のこと。“三八婦女節”(国際婦人デー),“六一儿童節”(国際児童デー)などの国際的な祝日や十月一日の“国慶節”(国慶節)が(1)のグループの代表的なものである。

(30)うらやましい“教師節”
 もう一つ(1)のグループに属する記念日に“教師節”というのがある。「教師の日」とでも訳すのであろうか。相当する祝日が日本にはない(?)ので,訳語が思い浮かばない。

 『現代漢語辞典』には“教師的節日”としたあとに“我国的教師節是9月10日”とあるから、中国だけではなしに他の国々にも設けられていて、日は一定しないということか。

 数年前に中国を訪れた際に、たまたま“教師節”にぶつかって、訪問校の先生方の仲間に加わって盛大に祝ってもらったことがある。

 わたくしが北京に滞在していた1979、80年頃にはまだなかったようだから、改革・開放後の80年代に設けられたものであろうか。

(31)“其他同志”
 今はどうか知らないが、北京に滞在していた最初の三月八日、普段どおり仕事場に行くと、“今日‘三八’節、婦女同志下午放假、其他同志照常工作”という掲示を見かけた。女性諸氏は午後休み、その他の諸氏は平常どおり勤務すること。男性を“其他同志”としているのがおかしかったので、今でも覚えている。

 (1)の新しい記念日のうち、最も盛大に祝われるのは、言うまでもなく国慶節であるが、この時期、十月一日の建国記念日に始まってたっぷり1週間は学校も会社も休みになる。法定の祝日はそんなに長くはないのであるが、前後の土曜日や日曜日を振り替えて長い休暇期間をつくるのである。この休日振替え制度を“倒休”(daoxiu)と称している。

(32)“黄金周”ゴールデンウィーク
(2)の伝統的祝祭日のうち最もにぎやかなのは、よく知られているように“春節”(Chunjie)、すなわちわたくしたちの言うところの旧正月である。こちらも最低1週間、どうやりくりするのかつまびらかでないが、10日から15日くらい休んでいるところもある。

 この春節と上の国慶節の長い休暇期間を“黄金周”と称している。ゴールデンウィークをそのまま訳したもののようであるが、わが国のゴールデンウィークが4月末から5月初旬であるのとは異なる。もっとも、5月初旬には“端午節”と“五四青年節”があるので、こちらも“黄金周”に数えている人も少なくないようだ。