11月に入ると、何かと1年の締めくくりを意識し始める。13日からは「1年の納め」と言われる大相撲九州場所が始まるが、これが終わると「年末感」が一気に増す、という人も決して少なくないだろう。

 ところで、大成する力士には、さまざまなタイプが存在する。爆発的な強さで一気に番付を駆け上がるも、短命に終わるタイプがあれば、決して横綱大関になるチャンスはないが、安定した成績を残して幕内の上位を長くキープするタイプもある。どちらにも魅力はあるが、しばしば「いぶし銀」と称される後者のタイプは、日本の中小企業の姿に通じるものがある。

 中国メディア・今報網は1日、「日本の中小企業はどうして長寿なのか」とする記事を掲載した。その中で、中国の中小企業を視察した日本の中小企業専門家・黒瀬直宏氏が、日本の中小企業が「長生き」できる秘訣について解説したことを紹介している。

 記事は、政府による中小企業の支援に加えて、経営者が持つ「匠の心」がより重要であるとし、「小さきに安んじる」、そして「必要とされる分だけ作る」という、中国人経営者にしてみれば、「奇妙」な心構えがその核心になっていると伝えた。「小さきに安んじる」点については、膨大な先進技術を持っていながら、従業員がわずか数名という規模を保ち続けている企業の事例を紹介。そこには、安易に事業を拡大してリスク上昇を招くことを恐れ、「企業と人は同じ。浮かれてはならない」という考え方があるとした。

 また「必要とされる分だけ作る」精神については、「物は使うため作る。貯め込んで他人の危機に乗じるためのものではない」というシンプルな考え方がベースになっていると説明。「堅守と道徳、これはまさに中国の商いが長年崇拝してきた境地なのだ。そして、これがまさに日本の数多の『匠』が100年も生き続けてきた根本的な道なのである」と伝えた。

 地味ながらも「長生き」するためには、持って生まれたハード的な条件だけでは難しい。日々の努力の積み重ねがあってこそ実現できるものなのである。それは「いぶし銀」の力士も、40歳を過ぎても現役の第一線で活躍する野球選手も、そして中小企業も一緒だ。

 中国にだって地道な努力家はたくさんいる。しかし、どうしても派手なものに視線や関心が集まってしまうのが今の中国社会。これまでスポットが当たってこなかった彼らの静かな活躍が注目され、支援される環境ができれば、中国の経済や社会も大きく変わってくることだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)