近ごろ、日本人の「内向き志向」や留学離れが、しばしば議論のテーマになっている。一方、国外旅行者や留学生が急増し、富豪による外国移住や外国不動産購入ブームが起こるなど、中国社会は今まさに、「外向き」のエネルギーに満ちている。

 中国メディア・環球網は17日、「奔放から内向へ 日本はどうしたのか」とする記事を掲載した。記事は、国外に出て行こうとせず、国内に引きこもる日本の若者に対して、日本国内の学者から将来の経済発展や科学研究能力を憂う声が出ているとしたうえで、「30年以上前には外の世界に対する好奇心に満ち溢れ、世界各地を奔走していた日本人が、どうしてこれほどまでに内向きになってしまったのか」と疑問を提起した。

 そして、中国社会研究院日本研究所の専門家が「戦後日本社会の精神状態は、経済発展の軌跡と不可分である」とし、1990年代にバブル経済が崩壊し低成長時代に入ったことで、超富裕層を除く市民の生活水準が低下、これに伴い海外に向けた投資や消費も減り、それまで急増していた海外留学者数も増加にブレーキがかかり、21世紀に入ってからは減少に転じたと解説したことを伝えた。

 さらに、バブル崩壊により、それまで日本に充満していた活力や野心が消え去ってしまい、その代わりに、疲弊や将来に対する恐れを抱くようになった、長期にわたる西洋化を経てもなお、日本には保守的な「島国文化」が根強く残っているなどと論じている。

 その一方で、同研究所の専門家が、「国際社会における地位の変化とも直接関係している」とし、いわゆる「失われた20年」の中で日本は社会資本の蓄積、技術的な富の獲得、ソフトパワーの充実を進めるとともに、自らの政治や安全保障における戦略的な自主性に関心を持つようになったのだ、と説明したことを併せて紹介。日本人の「内向き志向」は必ずしも退廃的なものではないとの見方を示した。

 「外向き」のエネルギーに満ちている今の中国社会から見れば、そのエネルギーが一段落している日本の現状は「衰退」と見えるのかもしれない。「内向き志向」にはネガティブな部分もあることは否めないが、一方で自国の良さ、居心地の良さを感じている人が増えている、というポジティブな捉え方もできるのではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)