■中国、AI開発に巨額の投資

 今年の5月、中国の国家発展改革委員会が2018年までの3年間で1000億人民元、日本円にして約1兆6800億円をAI開発に投資すると発表したとされる。昨年、すでに中国政府は「インターネットプラス行動計画」を発表していた。これはモバイルインターネット、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、IoTなど次世代の技術と、製造業をはじめとする従来の産業との融合を推進するものである。今回、このなかにAIが追加され、計画が強化された。中国政府は、まず基礎技術を開発し、国際水準に到達することを目標にしているといわれる。

■激化するAI開発競争

 近年、AIの開発競争が激化している。企業ではトヨタ自動車が5年で1200億円投資すると発表したほか、GoogleやMicrosoftをはじめ国内外の様々な企業がAIの開発に投資している。

 国家レベルでも日本政府ではAIなどの先端技術の市場規模を2020年までに30兆円にする目標を定め、さらに人工知能技術戦略会議を設置した。米国や欧州でもAI開発に対するプロジェクトに取り組んでいる。今回の中国の多額の投資により、さらなる開発競争の激化が予想される。

■AIが進化した時代

 一説によると約30年後の2045年にはAIが人間の能力を超えるとされる。そうなれば、もはや人間とAIの競争は意味をなさなくなり、AI同士の競争が大きな意味を持つようになると考えられる。企業間の競争をはじめ、国家間の軍事的な競争など、あらゆる競争の勝敗がAIの能力によって決まってしまうことになるであろう。さらに人間の能力を超えたAIがAIを開発するようになれば、その進化は予測できないともいわれる。

 そんな時代に現在のような人間同士の競争はどれだけ行われているのであろうか。少なくとも人間が人間同士の関わりの中で成長し、社会の役に立つために自己実現を目指す存在であることに変わりはない。どんなにAIの能力が高くなっても人間に最も貢献できるのは人間だと思いたいものである。(執筆者:日本経営管理教育協会・磯山隆志 編集担当:サーチナ編集部)(イメージ写真提供:日本経営管理教育協会)