中国メディア・捜狐は3日、「クラウンはどうして日本でこれほど信奉されているのか」とする評論文章を掲載した。トヨタを代表するセダンであるクラウンと、日本の自動車文化の関係について論じている。

 文章は、東京などの都市において「クラウンのタクシーが街にあふれている」とするとともに、様々な車体色が存在するほか、高級志向から大衆志向まで幅広いグレードを持つを紹介。クラウンのタクシーがビルやホテル、繁華街そして小さな路地と至るところで見られる様子は「日本独特の都市風景である」と評した。そして「日本人の心の中では、クラウンのタクシーは日本の自動車業を代表する存在なのだ。その背後には、日本の顔ともいえるトヨタの存在があるのだ」と論じている。

 そのうえで、1955年に発売されたクラウンについて、トヨタが20年の時間をかけてようやく製造に成功した純国産車であると説明。「これが日本国民にとっては一種の突破、すなわち欧米の自動車技術が日本の市場を独占する状況を打開したと考えられた」と伝えた。そして、トヨタの自動車づくりは「物質化した文化」のアウトプットであり、「モノより先に人をつくる」、「作れるものは作らない、作るべきものを作る」といった企業理念や価値観は、普遍的な意味合いを持っていると解説した。

 文章は、日本におけるクラウンへの思い入れは「ノスタルジーではなく、自国産業へのリスペクト」であり、日本人の心におけるステータスや影響力という点で、現在に至るまでクラウンに代わるブランドは出現していないと解説。「クラウンはもはや、文化的な自尊心へと昇華されている。クラウンから思い起こされるのはトヨタではなく、日本なのだ」と締めくくった。

 中国に行くと、地域によってタクシー車両のメーカーがそれぞれ異なることに気づく。北京では現代自動車のタクシーが目立ち、上海や大連はフォルクスワーゲンが大半を占める。重慶で見かけるタクシーはほとんどがスズキだ。その都市と、各自動車メーカーとのつながりが伺えて興味深い。かたや、日本のタクシーはどこへ行ってもトヨタのクラウンコンフォートあるいはコンフォートが主流。タクシー事情から見ても「トヨタは日本の顔」と言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(写真は、トヨタ クラウン コンフォートのタクシー、写真提供:(C)ferwulf/123RF)