郊外にある静かな温泉地というのは趣があっていいものである。しかし、それが人影まばらでシャッターを閉めた店が目立つといった「寂れた感」が出ていると、期待して訪れた観光客を不安にさせ、失望させることになりかねない。中国の地方紙・北京晨報は3日、「がっかりさせられた日本の温泉」という文章を掲載した。

 文章は、5月のメーデー連休前に福島県の会津若松にある温泉旅館を訪れた際の感想を綴っている。その中では、温泉旅館の親切なサービス、設えに対してある程度の好感を抱いたこと、「新しいタオルなのにどうして温泉に入れてはいけないのか」と訝しがりながらも温泉の趣や心地よさを堪能したこと、刺身や炊き込みご飯など食べきれないほどの食事が供されたことなどが紹介されている。

 しかし、これらのポジティブな内容よりも「正直、会津若松にはちょっとがっかりした」という件に、力が注がれていた。文章によると、がっかりした理由は「街が寂れていて、賑やかな温泉街のイメージとは全くかけ離れていたこと」のようである。

 文章は「浴衣に下駄で街に繰り出したが、酒場が1軒開いていただけ。あとは裸の女性が描かれた劇場を見つけたくらい。それ以外はみんな閉まっていて、窓ガラスが割れている所すらあった」、「現地のローカルフードを食べて、お土産を買うのが楽しみなのに」と綴っている。

 さらに、途中で見つけたイタリア料理店の店員に「どうしてこんなに寂れているのか」と尋ねたところ、「連休前はこんなもんです。レストランは東京からのお客さんを待っているだけ。現地のお客さんはこんな店には来ません」との答えが返ってきたとも紹介。現地住民がこのような店に興味を示さない理由には、住民の高齢化があるのではないかとの考察も披露した。

 せっかく楽しみにしてきたのに、がっかりして帰るというのはとても残念な話だ。訪ねる側に過度の期待があったのかもしれないが、その期待に応えられなかったというのも事実だろう。オフシーズンの観光地で、中国人観光客をどのように満足させるかというのが、日本各地の観光地における課題の1つであると言えそうだ。日本旅行に対してポジティブな感想を残す中国人観光客は多い。それはそれでありがたい話だが、より大事にすべきは率直に「文句」を言ってくれる人の存在なのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)