中国の大手ポータルサイト「捜狐」は10日、日本に留学した中国人が奨学金を申請する際、「高官が推薦してくれれば有利」との“中国の常識”は無意味とアドバイスする解説記事を掲載した。

 奨学金申請にあたって推薦人を必要とする場合、中国人留学生は、社会的に地位のある「高官」にお願いして推薦文を書いてもらおうと考えるが、日本では「完全に無意味」と指摘。

 日本の教育機関が推薦人の条件として重視するのは学術的能力や学術上の地位、研究上の成果であり、学術に関係のない世間的な肩書は関係がないと強調し、教授や出身学校の教師ならば、推薦文もきちんと読んでもらえるはずと紹介した。

 さらに、推薦人と申請する留学生の関係も注意されると指摘。申請者本人についてしっかり理解している人とみなされなければ、推薦してもらっても重視されることはないと説明した。

 学生に対して奨学金支給を決定する人は「学部長かそれ以上の専門職の人員」と紹介。日本の教育機関では、そのような地位にあって初めて、奨学金申請者の学術面における能力や潜在力を理解する資格があるとみなされていると紹介した。

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◆解説◆
 上記説明は、多くの日本人にとっては「まともな教育機関ならば、当たり前のこと」と思えるだろう。興味深いのは、中国でわざわざ「日本の状況は違う」とアドバイスする記事が発表されたことだ。

 まず「推薦人」についてだが、中国では大学に直接関係がなくても、地域の共産党上層部などの人に推薦文をもらえれば、間違いなく有利だ。審査する側も、推薦文を無視したのでは、地元の有力者の「面子(メンツ)」をつぶすことになるので、相当に配慮する可能性が高い。

 推薦人が「高官」であれば、推薦人が奨学金申請者のことを熟知しているかどうかは本質的な問題ではなくなり、推薦人が「自分の名を出した」ことが、最も重要になる。

 上記記事は、大学の意思決定のシステムにも言及した。日本の大学は、「学問人の自治組織」として誕生/発展した西欧の大学制度の系譜に属する。そのため、かなり弱体化したとはいえ、「学問人の自治」という通念が今でも生きており、学長(総長)、学部長、教授といった「学問人によるヒエラルキー体」が大学を管理・運営を担うシステムだ。

 中国の場合には、大学内に共産党組織があり、大学の統制・管理・運営に大きな権限を持つ。上記記事は、日本ではあくまでも「学問人」が大学を管理していると指摘した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)tupungato/123RF.COM。東京大学安田講堂)