急速な経済成長が続いていた中国では、各地で不動産や各種インフラの建設工事が行われていたが、建設に関する日本との違いでもっとも驚くべきは「建設速度が非常に速い」という点だろう。

 もちろん、中国でもすべての建築物の建設速度が速いというわけではないにしても、中国では道路でもビルでも、あっという間に竣工してしまうイメージが強い。2015年には湖南省長沙市で「19日間」で57階建てのビルが完成した事例は、中国国内の建築物の建設速度の速さを示す事例の1つと言える。

 日本と中国の建築現場は速度に限らず、多くの面で異なると言えよう。中国メディアの捜狐はこのほど、「日本の建築現場を見学してショックを受けた」と題して、ある中国人の実体験をもとにした記事を掲載し、日本の建築現場は「効率的でエコロジー」であり、安全性に対する考え方も違うと紹介した。

 日本の建築業の効率の良さについて、記事は「日本では工場で生産・加工された建築部材を積み木のように現場で組み立てるプレハブ工法を採用していることにある」と主張。そのため、中国のように現場作業員を多く必要としないので効率的なのだという。確かに中国では道路工事などは人海戦術のように大量の作業員が動員されることも多い。

 また、現場での作業も、日本では高圧洗浄機による洗浄やメッシュシートで工事現場を覆うことで、徹底してほこりやごみ飛散防止に努めており、環境保護を心がけていると紹介。さらに日本では中国と違い、マンションなどは内装が完成した状態で売りに出されるため、顧客が自身で手配して内装を手掛ける必要がないのも効率的なのだという。

 さらに記事は、安全性に対する考え方の違いについて、日本では「現場での安全第一が徹底」されており、見学者は既定の作業着とヘルメットの着用が義務付けられていたと紹介。また、靴も専用の作業靴をわざわざ用意してくれたと振り返ったうえで、安全確保のため作業員以外は歩ける場所が決められていること、毎週作業員に対して安全教育を実施していることなどを称賛した。

 ほかにも、「厳格な検査制度」によって建築物の品質を確保していることや、「細分化された工程」により専門業者が責任を持って作業を分担すること、「建築材料や清掃用具などが整然と並べられている」ことも中国とは異なる点と指摘した。

 こうした効率性やエコ、安全意識の高さは、日本では建築現場に限らず、日常生活のいたるところで見受けられると言える。日本人にとっては当たり前の事でも中国人にとっては驚くに値することのようだ。ちなみに、中国では日本ではなかなか考えられない事故も起きている。2009年には上海市閔行区蓮花南路で建設中の13階のマンションが「仰向け」に倒れた。建設速度が速いから起きた事故というわけではないが、こうした事故が起きる点も日本と中国の違いと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(写真は「CNSPHOTO」提供、2009年撮影)