中国メディアの観察者網は、台湾で16日の選挙の結果、独立志向が高い民進党政権の誕生が決まったことを受け、「最も重要なことは海峡はすでに赤くなっていることだ」と題する論説を掲載した。同論説は中国が開発中のステルス戦闘機「J-20(殲-20)」の実戦配備で、武力による台湾の“解放”が可能になると論じた。

 論説は、次期総統に決まった民進党の蔡英文主席(党首)は一貫して台湾独立を主張しており、選挙期間中には中台関係の現状維持を唱えてきたが、政権交代で大陸と台湾の関係が難しくなることは「分析した人ほとんどすべてが出した結論」と主張。台湾海峡で戦争発生という最悪の結果を懸念する人すらいると論じた。

 論説は、台湾軍の実力が大陸に比べて最も充実していたのは2000年ごろと主張。1990年代に始めた軍備の拡充が、空ではF-16、ミラージュ200-5、IDFなど第3世代ジェット戦闘機300機以上、海では成功級、康定級、済陽級など各種新鋭フリゲートが20隻以上、次々に就役したと説明した。

 当時の中国は第3世代戦闘機が100機もなく、「なんとか現代化した」と言える軍艦は十数隻しかなかった。台湾軍と「質の差」は明らかで、台湾側を「数で圧倒」したとしても、米軍の存在を考えれば、通常戦力で台湾を「急速に開放」するのは困難だったという。

 論説は次に、2000年ごろ以降の状況を解説。台湾も新兵器を導入しているが、それ以前と基本的に大きな変化はないと主張。技術装備に大規模な更新がない一方で、兵員数は2001年の40万人から現在は17万人以下になったと指摘した。

 一方の中国側は、現在までに第3世代戦闘機を700機に増やしたと説明。さらに航空母艦や大量の「イージス艦」を配備し、情報システムも向上させたことで「解放軍は台湾海峡両岸の軍事力比較で全面的に勝るようになっただけでなく、米軍も軽視できないようになった」と主張した。

 さらに、米国はこれまで台湾に対する武器売却で、台湾海峡における軍事バランスが大きく変化することを阻止していたが、すでにその方法は通用しないと主張。

 論説は、その切り札となるのが、2017-18年ごろに実戦配備が始まるとみられる「J-20」と論じ、同機は米国のF-22にも対抗できる先進的な戦闘機であり、「F-35を含めて、米国が輸出しているいかなる戦闘機に対しても、圧倒的に優勢」と議論を展開した。

 さらに、中国側がそれ以外にもさまざまな新兵器を投入していることから、台湾軍は戦争になった場合に「苦しい場面を持ちこたえて救援を待つ」こともできなくなったと主張。

 論説は、米国が「国を傾けてでも台湾を救う」ことを決断した場合には話が別だが、すでに台湾海峡の軍事力のバランスで、中国は圧倒的に有利になったとの考えを示した。

 記事は最後の部分で、「われわれは今まで通り、最大の誠実さを持って両岸関係の平和と交流を推進する。しかしわれわれには念頭に置いていることがある。穏やかに話し合っている場合でも、手には大きな棍棒を握っているということだ」と主張した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)